2020.08.18
【実体験】失敗しない方法!塩ビ床VS無垢床には決定的な違いがある!【後編:無垢床について】
私個人の意見では家づくりの中で、床材の選択はとても重要だと考えています。
内装の面積的にも多い部分なので、家の雰囲気が床で決まると言っても過言ではありません。
また、実際に暮らしていく中で常に人が触れている部分ですし、掃除をしたりメンテナンスをしたりと、意外と手間がかかる部分でもあります。
つまり床材は私たちの暮らしに密接に関わってくるもので、真剣に考えて選んでおかないと必ず暮らしの中でストレスに感じ、後悔につながってしまいます。
今回は塩ビシートの床、いわゆる塩ビ床と無垢床についてしっかりとお伝えしたいと考え、前編で塩ビ床について、後編で無垢床についてと2つに分けてブログを書きました。
今回はその後編で、無垢床について深掘りをしていきたいと思います。
また、もう一方の塩ビ床の特性を理解した上で、今回のブログを読んでいただいた方が、深く理解できて比較もしやすいと思います。まだ前編の塩ビ床についてのブログを読んでいない方は、ぜひ目を通してみてください。
これから家づくりを考えている方にとって、1つの物差しとして参考になると思いますので、ぜひ最後まで読んでください。
床材もしっかり検討しよう
初めに結論から言うと、床材で失敗しないためには塩ビ床か無垢床か、それぞれの特性を正しく理解した上で、選択することが大切です。
みなさん意外と住宅会社が決めている床の仕様のまま、何も疑わず決めてしまっています。
住宅会社もお客様も、耐震性能や建物金額、断熱性能などは気にするのに、なぜか床材に関しては重要視していません。
特に小さなお子さんがいらっしゃる方は、これを機会に床材のこともしっかりと検討してみてください。
無垢床は自然素材としてお勧め
私の会社のように自然素材をお勧めしている住宅会社は、無垢床を標準仕様にしているところが大半です。
逆に大手のハウスメーカーさんなどは、無垢床はクレームが出やすいと、塩ビ床を標準仕様にしているところがほとんどです。
ただ、私の会社で無垢床を推奨しているからと言って、そちらに偏らずにできるだけフラットな立場で、解説をしたいと思います。
無垢床のメリット
まず無垢床を使うメリットは次の3つがあります。
・夏はサラサラで冬は暖かい
・メンテナンスが楽
・リラックス効果がある
1つずつ丁寧に説明します。
夏はサラサラで冬は暖かい
本物の木には調湿効果と呼ばれる、余分な湿気を吸ってくれる機能があるため、無垢床を使うと夏でもジメジメしません。
また、冬は前編で紹介した塩ビ床はかなり冷たくなり、予算が許すなら床暖房をお勧めしています。
しかし、無垢床は本物の木のため断熱効果と蓄熱効果があり、床下の冷気が伝わるのを遮断して、自然に部屋と同じ暖かさにしてくれます。
これは体感してみないとわからないのですが、私の会社のモデルハウスに来ていただいた方で、床暖房つけた方はいません。
ちなみに、無垢床の肌触りや質感を感じていただきたいので、あえてスリッパなしでご案内しています。
メンテナンスが楽
次にメンテナンスが楽と言う点ですが、これは意外とみなさん勘違いをされていて、無垢床はメンテナンスが大変そうという声をよく聞きます。
もちろん塩ビ床と同じように、傷が付いたり汚れたりします。
確かに汚れは塩ビ床よりは取りにくいのですが、本物の木を使っているため傷には強くなっています。
使う木によって強度も変わるのですが、もし傷がついたときにはサンドペーパーやヤスリで削り、消すことができます。
またへこんだ場合は、タオルに温かいお湯をつけて軽く叩いて上げると、膨らんで目立ちにくくなります。
しかも、仮に放置しても自然の経年変化によって、色が変わりヴィンテージやアンティークのような、深い味わいが出てきます。
リラックス効果
最後にリラックス効果ですが、冒頭でもお伝えしたように床の面積はかなり多いため、本物の木を使った無垢床を張ると、自然の香りがしてきます。
これは体験しないとわからないのですが、私の会社の無垢床を張った築2年のモデルハウスに来ていただくと、皆さんいい香りだねと言ってくれます。
自分の家が自然の木の香りでリラックスできたら、とてもいいですよね。
ワックスはかけないほうがいい
無垢床で注意しなければいけないのは、基本的にワックスをかけないほうがいい点です。
ワックスをかけると本物の木の良さが半減して、暖かさを感じなくなり調湿効果も落ちてしまい、自然の香りもしなくなります。
何より、ワックスがかけてあることで傷がとても目立ち、直そうとヤスリで削ると光沢が変わって、余計に目立ってしまいます。
ワックスは10年に1回ほどかけ続けることになるため、手間もお金もかかるようになってしまいます。
それよりも、無垢床用に赤ちゃんが舐めても大丈夫な、自然素材のオイルがあるのでそれを使い、木が呼吸できるようにしてあげた方がいいでしょう。
無垢床のデメリット
次に無垢床のデメリットです。
・金額が高い
・伸縮する
・気を使う
この3つが挙げられます。
金額が高い
金額は木の種類によってピンからキリまであるのですが、塩ビ床のおよそ2倍から3倍くらいかかります。
杉やパインなどは比較的安く済みますが、アカシアやオーク、ウォールナット系はかなり高くなります。
また金額は節があるかどうかでも変わってきます。
中には節が苦手と言う方もいるため、節がない無垢床ものもあるのですが、これを選ぶとさらに金額が1.5倍くらい高くなってしまいます。
無垢床が高い理由
確かに無垢床は塩ビ床と比べて高いのですが、その金額は住宅会社の仕入れルートや供給量によって、大きく変わってきます。
たとえば、塩ビ床を標準仕様にしている会社の場合、その年間供給量が多いためスケールメリットが生まれ、メーカーからの仕入れ値は安くなります。
その反面、たまにオプションで無垢床を選ばれるお客様がいると、その都度単品の仕入れになるので割高になります。
しかも、普段無垢床の施工に慣れていない大工さんでは、余計に手間がかかり施工費も高くなってしまいます。
そういった理由から無垢床は、高いというイメージを持っている方が、多いのだと思います。
会社によって金額は変わる
しかし、私の会社のように無垢床が標準仕様のところは、普段から使っているため年間の供給量も多く、1棟ごとではなくまとめて床材を納品してもらいます。
それにより配送費も抑えられて、仕入れ交渉もすることができます。
施工についても大工さんにとって、無垢床を使うのはいつものことなので、追加で施工費を求められることもありません。
そつまりどういったスタンスの住宅会社に頼むかによって、無垢床の金額は変動するのです。
長期的に考えれば高くはない
また、30年40年という長いスパンで見れば、本物の木を使っているため塩ビ床と違い、張替えを検討する必要がありません。
確かに無垢床は初期費用が高くなりがちですが、長期的なメンテナンス費用まで加味して考えると、一概に高いとは言えないのです。
伸縮する
次に伸縮するデメリットですが、木が生きている以上これは仕方がなく、乾燥期には縮み梅雨時期などは水分を吸収して伸びてしまいます。
この伸び縮みを繰り返すと、床板同士の張り合わせのところにどうしても隙間ができてしまい、そこにほこりが溜まります。
掃除機をかければ済みますが、それがどうしても許せないという方にとって、残念ながら無垢床は不向きだと思います。
気を使う
最後は、気を使うというデメリットですが、正直個人的にはこれが1番のデメリットではないかと思います。
私の自宅には無垢の床のオークが貼ってあり、家族に7歳、5歳、3歳の子供がいるのですが、特に3歳の子は毎回のようにジュースや食べかすをこぼしてしまいます。
放置すると染みになるのですぐに拭いて、私も奥さんも注意をしますが、まだ小さい子供なので無理ですよね。
他にトイプードルも飼っていて、まだしつけがしきれていないので、たまに床でオシッコをしてしまいます。
塩ビ床ならそれほど神経質にならなくてもいいのですが、無垢床で子供が小さかったりしつけができていないペットがいたりすると、かなり気を使います。
無垢床の手入れ
無垢床は基本的に水拭きがNGのため、ダスキンなどの乾拭き用モップで掃除をします。
半年や1年に1回くらい、モップに専用の自然オイルをつけて塗ってあげると、木も長持ちしてシミも目立ちにくくなります。
このような手入れをやりたくないという方は、残念ですが無垢床はやめておいた方がいいと思います。
ただし、子供の傷や汚れも小さいうちだけですし、経年変化で味わいの深いヴィンテージやアンティークのようになり、思い出として残していけます。
そのような感覚で傷や汚れも楽しめるなら、無垢床は本当にお勧めです。
まとめ
最後にまとめると無垢床のメリットは次の3つです。
・夏はサラサラで冬は暖かい
・メンテナンスが楽
・リラックス効果がある
逆にデメリットは3つあります。
・金額が高い
・伸縮する
・気を使う
塩ビ床と同じで無垢床にもやはり一長一短があり、パーフェクトではありません。
いい部分もあれば悪い部分もありますので、それを理解した上で自分たちの価値観や暮らしに、どちらが合うのかを考えてみましょう。
また、いずれ子供たちが巣立って、夫婦2人だけになることも視野に入れ、30年40年と言う長いスパンで考えて比較してください。
私は自然素材の雰囲気が好きなので、床に寝転がったり自然の温かさや香りを感じたりしたいし、また空気環境も大切に思っているので、無垢床をお勧めしています。
メリット・デメリットそれぞれがありますが、一生暮らしていくということを考えて、自分たちに合う最良の選択をしてほしいと思います。
ちなみに、無垢床と塩ビ床の間の子のような、合板の上に本物の木を薄く貼った「突き板」という床材もあります。
これは、どちらかというと塩ビ床の特性に近いため、間違えないように注意をしてください。
床材は体感することが1番分かりやすく大切だと思いますので、塩ビ床と無垢床をそれぞれ得意としている住宅会社のモデルハウスに足を運び、実際に感じてみてください。
これから家づくりを考えている人に、床材を選ぶ上で参考にしてもらえたら嬉しいです。
ご覧いただきありがとうございました。
今後も随時更新予定です!
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