2022.01.18
【省エネ?ZEH?HEAT20?】本当に安いのはどれ!?3つの省エネ指標を徹底解説!
皆さんもせっかくマイホームを建てるなら、できるだけ省エネで、ランニングコストがかからなくて、快適で暮らしやすい家が良いと思いますよね?
実際には省エネ性能だけ高ければ良いわけではないですが、快適な家を作るうえで大切な要素の一つなのも確かです。かといって「次世代基準」とか「ZEH基準」とか言われても、なかなかピンとこない方も多いと思います。
そこで今回のブログでは、省エネ基準の種類と基礎知識をお伝えして、客観的に情報の整理と判断ができるようになってもらいたいと思います。
大工時代を含めて15年以上、たくさんのお客様の家づくりにたずさわった経験をふまえて、これから家を建てる人が失敗しないための情報を、できるだけわかりやすくお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。
●3つの省エネ指標
今回解説するマイホームの省エネ指標は次の3つになります。
1.省エネ基準
2.ZEH基準
3.HEAT20
それではひとつずつ説明していきます。
1.省エネ基準
省エネの指標1つ目は、省エネ基準です。
これは国が定めている建物の省エネに関しての基準です。今まで何回か改正されていて、家の断熱性などを調べると必ず出てくるワードの1つだと思います。
普通に考えれば、住宅会社が家の性能を説明するとき、最新の基準と比較するのが一般的なイメージです。しかし実際には、それぞれどの年代の基準をベースに説明しているかが違います。
この会社は最新の基準と比較してるけど、こっちの会社は一つ前の基準と比較していて、省エネ基準より20%アップしてますと同じようにアピールしていても、基準にしている性能がまったく違っているという問題があります。
そのため惑わされないようにするには、
平成11年 次世代省エネ基準
平成25年 改正省エネ基準
平成28年 建築物省エネ法
の3つを押さえておく必要があります。
少し難しく感じるかもしれませんが、なんとなくでも理解してもらえれば良いので、かんたんにご紹介します。
最初が次世代省エネ基準で、20年以上前の古い基準です。しかしこの基準で建てた家のデータが豊富にストックされていて、比較の根拠になりやすいため、今でもたくさんの住宅会社の説明で基準にされています。
次に改正省エネ基準は25年基準とも呼ばれ、先程の次世代省エネ基準に大きな改正を加えたものす。外皮平均熱貫流率のUA値や、夏の平均日射熱取得率のηA値や、電気などの一次エネルギー消費量も含めるようになり、より適正な評価がされるようになりました。
最後の建築物省エネ法は、28年基準とも呼ばれています。UA値は変わらないですが、日射熱取得率のηA値がηAC値に変わり、ガラスだけだったのが窓枠も考慮して計算するようになりました。そのため細かな部分で、より実際に近い評価ができるようになっています。
この3つの基準で注意したいのは、20年以上前の次世代省エネ基準をベースに、断熱性が何パーセントアップしてますとか、ランニングコストを何円削減できますという数字の根拠にしてる会社が多いことです。
なので住宅会社の性能を比べる際には、UA値など最新の数値を基に比較するようにしましょう。
2.ZEH基準
省エネの指標2つ目は、ZEH基準です。
ZEHはゼロエネルギーハウスの略称で、かんたんに言うと家の断熱性能を高くして、さらに太陽光や蓄電池を活用することで、創るエネルギーと消費するエネルギーを、差し引き0にしようというコンセプトの家です。
具体的な基準としては、先程ご紹介した省エネ基準の中で一番新しい28年基準よりも、UA値がさらに厳しくなっています。他にも平均日射熱取得率や、気密性能も28年基準をクリアする数値に設定されています。
国としては2030年までに、ZEHの建物を定着させるという目標を設定しています。その先の2050年の脱炭素の目標をクリアするためにも、これからの住宅はZEHがスタンダードになっていくと思います。
ただ実際にZEHを採用しようと思うと、実はたくさんの種類があって、適用される条件が細かくわかれています。場合によっては補助金ももらえるので、興味のある方は下のリンクからぜひご覧ご覧ください。
3.HEAT20
省エネの指標3つ目は、HEAT20です。
HEAT20は2009年に発足した「2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会」を英語にして、頭文字を取ったものです。一般社団法人「20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会」が提唱している基準になります。
国などの公的な基準ではないですが、参加団体として日本木造住宅産業協会やプレハブ建築協会、日本サッシ協会、断熱材の業界団体など、いろいろな住宅建築の団体が参加していて、これからの日本の住宅性能の基準を作ろうという活動をしています。
このHEAT20は断熱に詳しい、住宅系YouTuberの人がよく話題にしている内容なので、目にしたことがある人もいると思います。国の省エネ基準とはまた違った見方で、冬の室内の温熱環境や暖房の省エネ性能を目安にして、今はG1からG3までのグレードでUA値の推奨基準を設けています。
参考までに省エネ基準とZEH基準、HEAT20のUA値を一覧にするとこのようになります。
地域区分 |
1地域 |
2地域 |
3地域 |
4地域 |
5地域 |
6地域 |
7地域 |
8地域 |
旭川等 |
札幌等 |
盛岡等 |
仙台等 |
つくば等 |
東京等 |
鹿児島等 |
那覇等 |
|
28年省エネ基準 (H25も同じ) |
0.46 |
0.56 |
0.75 |
0.87 |
ー |
|||
ZEH |
0.4 |
0.5 |
0.6 |
ー |
||||
G1 |
0.34 |
0.38 |
0.46 |
0.48 |
0.56 |
ー |
||
G2 |
0.28 |
0.34 |
0.46 |
ー |
||||
G3 |
0.20 |
0.23 |
0.26 |
ー |
単位:W/㎡・K
日本は北から南まで気温や気候がかなり違うので、その傾向ごとに全国の市区町村を1〜8の区域に分けています。ここまでご紹介してきた省エネ基準はすべて、その地域区分ごとに数値が設定されています。
なので省エネ基準を調べる前に、自分の建築エリアがどの地域区分に該当するか、下にリンクを貼っておきますので、興味のある方は確認するようにしましょう。
●まとめ
今回解説したマイホームの省エネ指標は次の3つになります。
1.省エネ基準
2.ZEH基準
3.HEAT20
せっかくマイホームを建てるなら、できるだけ省エネで、ランニングコストがかからなくて、快適で暮らしやすい家が良いって思いますよね?
しかし家の断熱性を調べていると「次世代省エネ基準と比べて何%削減」とか、「ZEHレベルの省エネ住宅」とかいろいろな基準が出てきて、何がなんだかよくわからない、全然ピンとこないという方も多いと思います。
すべてを把握するのが難しくても、それぞれ概要だけでも理解しておくことで、住宅会社ごとの断熱性能の基準がわかって比較しやすくなります。すると家が完成して暮らし始めてから、思ったより寒いとか暑いとか、満足度のギャップを少なくできる可能性が高くなります。
ただ断熱性はもちろん大切ですが、他にも気密性や空調計画、間取りによっても家の温熱環境や暮らしの満足度は変わると思います。それについては以前に出した動画で詳しく解説しているので、興味のある方はぜひ参考にしていただき、すてきなマイホームを作っていただけると幸いです。
ご覧いただきありがとうございました。
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