2022.04.06
【難しくありません!】いまどき茶室をマイホームに作る方法!7つのポイントで完全攻略
今回のテーマの需要はそれほど多くはないと思いますが、日本の文化を大切にしたいとか、和の雰囲気は落ち着いて好きだけどコテコテにはできないので、部屋の一部に少しでも取り入れたいといったご希望を、少数ですがいただいていたので作成しました。
昔の和風建築であれば当たり前にあった茶室ですが、時代の流れとともに需要や作れる職人さんが減ってきています。そのため興味はあっても具体的にどうやって作れば良いのか、費用もいくらかかるのか未知数だと思います。
そこで今回のブログでは、今どきのおしゃれな家にも合うシンプルな茶室の作り方をお伝えして、全体の雰囲気を壊さずに、リラックスできる茶室空間を実現してもらいたいと思います。
大工時代を含めて15年以上、たくさんのお客様の家づくりに携わった経験をふまえて、これから家を建てる人が失敗しないための情報を、できるだけわかりやすくお伝えしますのでぜひ最後までご覧ください。
●今どき茶室を作るポイント
まず結論から言うと、今どき茶室を作るポイントは次の7つになります。
1.炉
2.床
3.水屋
4.天井
5.窓
6.腰張り
7.躙口(にじりぐち)
この7つをすべて取り入れられたら完璧ですが、なかなか難しい思うので採用できる範囲で検討していただければ幸いです。
●茶室とは
詳しいポイントをお伝えする前に茶室とはどんな部屋なのか、かんたんに解説します。
まず茶室は時代によって書院(しょいん)茶室と、草庵(そうあん)茶室の2つに分けられ、自宅に作るにはどちらの雰囲気にするかが大切になります。
そもそも茶室の歴史は平安時代に貴族や武士達の間で、お茶を飲んで産地を当てる闘茶(とうちゃ)という遊びが流行り、そこでお茶を振る舞う部屋が進化して茶室になったと言われています。
書院茶室はただお茶を飲むだけではなく、茶碗や掛け軸などの飾り物も一緒に見て楽しむ事を目的にしています。そのため最低でも四畳半ぐらいの広さが必要で、本格和室の優美さも合わせて感じられるスタイルになっています。
もう一つの草庵茶室は書院茶室の逆で、簡素な中にある侘び(わび)を楽しむスタイルです。当時の民家に使われていたような丸太や土壁を使った茶室にして、なおかつ広さも4畳半以下で2〜3畳ぐらいのコンパクトな物が主流です。
草庵茶室があえて狭い部屋なのは、お茶の席の主人とお客様がなるべく近寄って心を通わせる意味があるからです。実際に千利休が作ったと言われている国宝の待庵(たいあん)も、わずか2畳の広さになっています。
なのでしっかり場所を取って作るなら書院風でも良いと思いますが、マイホームの一部に違和感なく、できるだけシンプルに費用を抑えながら作りたい場合は、ある程度自由度の高い草庵風がおすすめなので、今回は草庵風の茶室スタイルをメインにお伝えします。
ちなみに、茶室まではいらないけど落ち着ける今どきの和室が欲しいという方は、以前の動画で具体的な作り方や注意ポイントを詳しくお伝えしています。興味のある方は下のリンクからぜひご覧ください。
それでは前置きが長くなりましたが、今どき茶室を作る7つのポイントをご紹介します。
1.炉
草庵風茶室を作るポイント1つ目は、炉です。
炉はお茶を点てるためのお湯を沸かす熱源のことで、一般的には畳の一角に埋め込まれた炉をイメージする方が多いと思います。
ただ実際の茶室では、冬場はお客様に温まってもらうために畳に切った炉を使い、夏や気温の高い時期には逆にお客様が暑くならないように、風炉(ふろ)という持ち運び式の炉を、部屋の中心から離れた所に置いて使います。
本来、炉は炭でお湯を沸かしますが、今の時代は家の中で炭を使うのは危ないため、電気式の炉を使ったり、手軽にやるならコンパクトな持ち運び式の風炉を使うのもおすすめです。ネットで5万円前後から購入できて費用も抑えられます。
2.床
草庵風茶室を作るポイント2つ目は床で、和室でよく見る床の間のことです。
広めの書院茶室なら横幅が6尺、1m80cmぐらいで作るのが一般的です。しかし草庵茶室は茶室自体が小さめなので、4尺前後、1m20cmぐらいの幅が多く、部屋全体のバランスを加味して大きさを考える必要があります。
また床の間に床柱という柱を入れるときは、高級感のある黒檀などより椿の皮付き丸太のような、素朴な物が雰囲気に合いおすすめです。ただ場所にも限りがあると思うので、最近は床の間をしっかり作らずに、お茶を点てるなど必要なときに出す置き床という商品を選ぶ方法もあります。
置き床なら普段はお子さんを寝かせたり、洗濯物を畳んだりする畳コーナーの空間として多目的に使うことができます。いずれお茶を点てたりしなくなったときにも、床の間スペースを有効活用できるので選択肢の1つとして検討してみてください。
3.水屋
草庵風茶室を作るポイント3つ目は水屋で、茶室の台所とも言われる場所です。お茶を点てるための道具をディスプレイしながらしまうイメージなので、今でいう見せる収納的な役割になっています。
本来は茶室の隣や、お客様から直接見えない場所に作るのが一般的ですが、それほどスペースも取れないと思うので、お茶室の一角に簡易的に作るのがおすすめです。
ちなみに先程ご紹介した置き床のような感じで、置水屋という移動できるタイプの製品もあります。費用は15万円前後で結構高いですが、実際に大工さんに現場で作ってもらうと2倍以上して取り外すこともできないので、こちらも選択肢の1つとして検討することをおすすめします。
4.天井
草庵風茶室を作るポイント4つ目は天井で、私も大工時代にいろいろな天井仕上げを経験させてもらいました。
実際に茶室を本格的に作るときは、お客様が座る場所の天井を網代仕上げで豪華にしたり、天井を高くして差を付けます。ただすっきりした今どきの茶室にするなら、天井の仕上げや高さは変えない方が良いと思います。
もし茶室の雰囲気を出したいなら普通の壁紙天井だと難しいと思うので、シンプルですが和の要素も感じられる目透かし天井とかにするのがおすすめです。
5.窓
草庵風茶室を作るポイント5つ目は窓で、実際の茶室でよく使われていたのは下地窓、格子窓、連子(れんじ)窓などになります。ただし今どきは鋼製サッシが基本になるので窓本体は変えずに、サッシの内側に似たようなデザインで障子をはめ込むのがおすすめになります。
実際にオーダーで製作しても5万円前後あれば作れますし、例えば障子で下地窓の雰囲気が出せれば一気に茶室の雰囲気が出るので、見た目の費用対効果としては抜群だと思います。
6.腰張り
草庵風茶室を作るポイント6つ目は腰張りです。これは昔の茶室の壁は土壁で服が擦れると汚れてしまったため、床から27cmとか55cmの高さまで和紙を貼って対策していたものです。正直、今の家は土壁じゃないのであまり必要ないと思います。
ただ本格的に作りたいなら土壁にしてもいいし、漆喰や珪藻土の塗り壁にしても雰囲気が出るのでおすすめです。
7.躙口
草庵風茶室を作るポイントを7つ目は躙口(にじりぐち)で、60㎝四方ぐらいのお客様が使う外からの出入り口です。草庵茶室独特の考え方ですが、入るときに頭をかなり下げることになので、身分の高い人でも普通の人でも平等なことを意味するように作られたと言われています。
もし茶室を離れとかで作るなら、躙口を作ると雰囲気も出るのでおすすめです。しかし現実的には室内の一角に設けることが多いと思うので、躙口に限らず外部と出入りできる窓は、収納スペースなども減ってしまうため個人的には無くても良いと思います。
●まとめ
以上、全体のまとめに入りますが、今回ご紹介した今どき茶室を作るポイントは次の7つになります。
1.炉
2.床
3.水屋
4.天井
5.窓
6.腰張り
7.躙口(にじりぐち)
需要としてはそれほど多くないと思いますが、日本の古き良き文化を楽しめる茶室を作りたいとか興味があるという方に向けて、少しでも参考になればと思いご紹介させていただきました。
今回の茶室に限らずせっかくマイホームを建てるなら、愛車専用のガレージが欲しいとかホームシアターを付けたい、檜風呂でゆっくりしたい、という感じでこだわりたい方もいると思います。もしよろしければ、以前の動画で気になる内容があればご覧いただけると幸いです。
ご覧いただきありがとうございました。
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