2022.04.16
【作って失敗!?】ルーフバルコニー(屋上)でありがちな後悔3選
マイホームを建てるときに、適度な庭がほしいけど土地の大きさ的に取るのが難しかったり、まわりが密集していてプライバシーを守りにくいとか、高い所からの景観を楽しみたい場合に、屋上みたいなイメージでルーフバルコニーを作りたいという要望をいただくことがます。
屋上は開放的で気持ち良さそうだし、一般的なバルコニーよりも広めに取れるので、快適に使えそうなイメージがあります。ただ前もって注意ポイントを押さえておかないと、せっかく作ったのに「なんかイマイチだった」「やめておけば良かった」みたいに後悔してしまう可能性があります。
そこで今回のブログでは、ルーフバルコニーのメリットと後悔しやすいポイントを3つお伝えして、屋上を作るべきかどうか判断でき、もし作ったときは満足いくマイホームを実現してもらいたいと思います。
大工時代を含めて15年以上、たくさんのお客様の家づくりに携わった経験を踏まえて、これから家を建てる人が失敗しないための情報をできるだけわかりやすくお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。
●ルーフバルコニーの3つの後悔ポイント
まず結論から言うと、ルーフバルコニーの後悔ポイントは次の3つになります。
1.活用環境
2.使用期間
3.維持管理
まずは屋上の3つのメリットをかんたんにお伝えして、それから後悔ポイント3つについて詳しく解説します。
●メリット1:アウトドアリビングに最適
屋上のメリット1つ目は、アウトドアリビングに最適なことです。
屋上はイメージ通り見晴らしが良いので、外で食事などを楽しむアウトドアリビングのスペースとして最適です。しかも道路からはもちろん、一般的にまわりの家の窓より高い位置になるので、人目を気にせずリラックスして楽しめる、庭以上にアウトドアリビング向けな場所になります。
また一般的に2階とほぼ同じ面積になることが多いので、テーブルや椅子、食べ物などを置くワゴンも余裕で置けます。夏には地域の打上げ花火を楽しんだり、冬には高い位置から天体観測などもできて、屋上ならではのメリットを満喫できます。
●メリット2:洗濯物を干す場所に最適
屋上のメリット2つ目は、洗濯物を干す場所に最適なことです。
最近は乾燥機を使ったり、サンルームやランドリースペースを作ったりして、家の中に洗濯物を干す人も増えています。ただやっぱり天気の良い日は太陽の光に当てたいとか、自然の風で乾かしたい人もいらっしゃると思います。
その際は1階の庭や2階のバルコニーという選択肢もありますが、どうしてもスペースが限られ洗濯物を一度に干せないこともあると思います。
また近隣の環境によっては、まわりの目が気になって干すモノを選んだり、髪の毛ボサボサのパジャマ姿ではなく、気を遣って小ぎれいにすることもあると思います。なので間取りや動線にもよりますが、屋上に洗濯物が干せることも大きなメリットになります。
●メリット3:多目的に使える
屋上のメリット3つ目は、多目的に使えることです。
例えばプランターを置いてガーデニングしたり、ミニトマトなどちょっとした家庭菜園を楽しんだり、ビニールプールを出して子どもの遊び場やペットのストレス発散場所にしたりと、暮らす人の工夫次第でいろいろな活用方法ができて、使うほどにメリットが大きくなっていきます。
ちなみに以前の動画でアウトドアリビングの失敗しない作り方や、洗濯家事を楽にする方法、ペットが暮らしやすいプランについて詳しく解説していますので、興味のある方は下のリンクからぜひご覧ください。
ざっくりメリットをまとめるとこの3つになりますが、次からは気をつけないといけない後悔ポイント3つをお伝えしますので、しっかり理解したうえで屋上を設置するかや対策を考えていただければ幸いです。
●後悔ポイント1:活用環境
屋上の後悔ポイント1つ目は、活用環境です。
これは大きく分けると2つあって、「安全性」と「近隣」になります。
安全性
安全性については思っていたより危ないという意味で、ルーフバルコニーの外周の壁の高さは、建築基準法で1.1m以上と決められています。仮に1.5mなど高めならまだ良いかもしれませんが、よく見かけるのは最低限の1.1mぐらいが多いように感じます。
1.1mぐらいだと、小学生ぐらいなら手すりの上に手を掛けられたり、踏み台になるようなモノがあれば乗り越えられてしまいます。また形は壁のタイプとフェンスのタイプがありますが、フェンスタイプだと途中に足を引っ掛けられるので、余計に転落の危険性が増えてしまいます。
なのでせっかく屋上を作っても、子ども達だけで遊ばせるのがちょっと怖くて、結局使わなくなるパターンが1つ目の後悔ポイントになります。
近隣
近隣については、せっかく人目を気にしなくて良いと思って作ったのに意外とまわりから見られて、アウトドアリビングや物干し場として使うのに気を遣うなどです。他にも子どもの遊ぶ声やBBQなど歓談の声が、近隣の迷惑になって使う用途が限られてしまうパターンもあります。
音や声に関しては防ぎようがないですが、転落防止やプライバシー対策は外周の壁を普通より高く設定すると解決できます。
また後からマンションとか高い建物が建つのは仕方ないですが、事前にまわりの環境をしっかりチェックして、プライバシー的に屋上を作っても大丈夫かや、どこに目隠しの壁を持ってくれば良いか検討してから、計画を進めるようにしましょう。
●後悔ポイント2:使用期間
屋上の後悔ポイント2つ目は、使用期間です。
これは実際に屋上を快適に活用できる期間のことで、アウトドアリビングとしてなら建てる地域によっては6月から梅雨入りして、明けても暑くてなかなか使えないことがあります。冬も寒いので結局は春と秋しか使えず、洗濯物を干すだけのスペースになる可能性があります。
もちろん最初から物干し場として使うなら問題ないですし、たまに庭として使えれば良いという考えなら良いですが、漠然と1年中フル活用できるイメージを持っていると、そのギャップで後悔してしまいます。
あとは普通のバルコニーにも言えることですが、間取りや動線計画によっては重たい洗濯物を運ぶのが面倒になって、物干し場としても使わなくなったという声も意外と良く聞きます。
なのでアウトドアリビングや物干し場や、ガーデニングとして使うのも含めて、総合的にどれぐらいの期間使えるのか、本当に必要かどうか慎重に考えて採用するようにしましょう。
●後悔ポイント3:維持管理
屋上の後悔ポイント3つ目は維持管理です。
これは屋上の掃除や定期的なメンテナンスが、意外と大変で後悔するパターンになります。
例えば掃除だと、ルーフバルコニーは外周にグルっと壁を立ち上げるので、普通の屋根に比べゴミが溜まりやすいです。また外周の壁の天端にある笠木から雨漏りもしやすいので、定期的にしっかり掃除して、排水口が詰まらないように配慮しないといけません。
あとは屋上の床に専用の防水施工がしてありますが、普通のバルコニーと比べ屋根も無く太陽に近くもなるので、より過酷な環境にさらされています。
そのため防水施工の方法や普段の使い方によっては早いと5年弱、長くても10〜15年ぐらいで塗装などのメンテナンスが必要になることが多いです。
実際のメンテナンスにかかる費用は、防水の種類や状況によって変わりますが、屋上は面積も広くなるので、10坪=20帖ぐらいで30万円前後、少し大きめで15坪=30帖くらいあると50万円前後は必要になってきます。
なのでルーフバルコニーを作る場合には、定期的な掃除とメンテナンスが必要なことをしっかり理解したうえで、可能なら屋上部分に水栓を1つ付けておくと、掃除やガーデニングの水やり、遊ぶときにも気軽に水が使えて重宝します。
ちなみに屋根の作り方で変わるデメリットや、バルコニーのメンテナンスの重要性については、別の動画で詳しく解説していますので、興味のある方は下のリンクからぜひご覧ください。
●まとめ
今回ご紹介したルーフバルコニーのメリットは、
1.アウトドアリビングに最適
2.洗濯物を干す場所に最適
3.多目的に使える
逆に後悔ポイントは
1.活用環境
2.使用期間
3.維持管理
になります。
屋上は開放的なのでアウトドアリビングを楽しめたり、まわりの環境によっては人目を気にせず洗濯物を干すことができます。またガーデニングやドッグランみたいな感じで多目的に使えるので、敷地の広さや立地条件によっては検討される方も多いと思います。
ただメリットがある一方で、今回ご紹介したような後悔ポイントがあるのも事実なので、しっかりまわりの条件を加味して、本当に使うかどうか検討したうえで作るようにしてほしいと思います。
今回の内容が全てではないですが、これからマイホームを考える人にとって少しでも参考になれば幸いです。
ご覧いただきありがとうございました。
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