2022.04.09
【BELS・V2H・LCCM】出費を節約できるマイホームはどれ?省エネキーワードの意味を徹底解説
皆さんもせっかくマイホームを建てるなら、使い勝手や動線はもちろん、できれば省エネで光熱費が抑えられる家に暮らしたいと思いますよね?
実際に省エネな家について調べてみると、いろいろな省エネ基準やZEHなどのキーワードの他に、BELSとかV2Hとかも見かけます。ある程度詳しい人からすると当たり前のワードでも、家づくりが初めてとかエネルギー関連はそんなに詳しくない方からすると、省エネに興味はあるけどよくわからないというのが本音だと思います。
そこで今回のブログでは、自分たちの家づくりに取り入れるかどうかは別として、省エネな家にするために必要な考え方や作り方の基本をざっくりお伝えして、こんな家づくりもあるんだなというイメージで、さらに知見を広めていただきたいと思います。
大工時代を含めて15年以上、たくさんのお客様の家づくりに携わった経験をふまえて、これから家を建てる人が失敗しないための情報を、できるだけわかりやすくお伝えしますのでぜひ最後までご覧ください。
●3つの省エネキーワード
今回ご紹介する家づくりの省エネキーワードは次の3つになります。
1.BELS
2.V2H
3.LCCM住宅
それでは1つずつ解説していきます。
1.BELS
家の省エネキーワード1つ目はBELSで、正式名称は「建築物省エネルギー性能表示制度」になります。
これは平成28年4月から始まった建築物省エネ法に基づいて、第三者機関が省エネルギー性能を評価して認証をする制度で、国土交通省が住宅会社に対して推奨しています。
身近な所で言うと、エアコンや冷蔵庫などの家電にも黄色の星マークで表示された省エネラベルがあると思いますが、イメージとしてはそれの住宅板です。
電気代とかの目安になる一次エネルギー消費量を5段階の星で評価したり、断熱性能が基準に適合しているかがラベルで表示されるので、お客様からすると一目でどれぐらい省エネな家なのかわかるようになっています。
具体的にBELSで評価するのは、外皮性能と一次エネルギー消費量なので、この2つについてもかんたんに解説します。
外皮性能と一次エネルギー消費量
まず1つ目の外皮性能は要するに断熱性能のことで、家から熱が逃げていく量を表すUA値と、家の中に熱が入ってくる量を表すηAC値を元に性能を評価して、基準に適合しているかどうかを判断してくれます。
2つ目の一次エネルギー消費量は、要するにガスや電気をどれぐらい消費するかで、家の冷暖房や換気、照明や給湯設備を高効率の製品にしたり、太陽光パネルを載せたりすると電気代が節約され、一次エネルギー消費量の少ない省エネな家になります。
なので自分の家がどれぐらい省エネなのか公的な証明で知りたい場合は、このBELSを活用するのも一つの手です。法律に基づく第三者機関の客観的な評価なので信頼性も高いですし、住宅会社に依頼する場合でも10万円前後で代行申請していただけると思います。
ちなみに、間違いやすい省エネ基準やZEHの細かい概要については、別の動画で詳しく解説していますので、興味のある方は下に貼ってあるリンクからぜひご覧ください。
2.V2H
家の省エネキーワード2つ目はV2Hで、ビークル・トゥ・ホームの略称になります。
これは今までのように家の電気で電気自動車を充電するだけでなく、逆に電気自動車に貯めた電気が家で使えるようになる仕組みです。
例えば電気料金の安い深夜電力を電気自動車に蓄えて、それを電気代の高い昼間に家で消費したり、災害で停電になったときに、電気自動車に貯めてある電気を家に供給して使用できます。
実際にこのV2Hを機能させるには、パワーステーションという器機が必要で、デンソーや三菱、ニチコンなど各社からいろいろな種類が出ています。安くても40万円ぐらい、高いと300万円前後の製品もあり、さらに設置費用が30万円ぐらいかかります。
なので既に電気自動車やプラグインハイブリッド車を持っている、もしくはこれから購入予定の人で、家から車へ急速充電したいとか、蓄電池代わりにして昼間の電気代の節約や、災害時の非常用電源として使いたい、太陽光パネルと併用して発電を有効活用したい場合におすすめになります。
また既に終わってしまいましたが、令和3年度のクリーンエネルギー自動車導入の補助金では、車だけでなくパワーステーション本体や工事費も補助対象になっていました。
令和4年度は予算額が倍になるという報道もあり、自治体によっては独自の補助金が用意され、国の補助金と併用できる所もあるので、タイミングの合う方は前向きに検討しても良いと思います。
3.LCCM住宅
家の省エネキーワード3つ目はLCCM住宅で、ライフ・サイクル・カーボン・マイナス住宅の略称になっています。
これは更地の状態から家を作り、暮らして住み終えて解体・撤去するまでの一生涯であるライフサイクルのトータルで、地球温暖化につながる二酸化炭素=カーボンの排出をできるだけ少なくして、なおかつ太陽光発電を上手に活用することで、消費するエネルギーよりも作るエネルギーが上回る家のことです。
例えば住宅を計画するときにできるだけ断熱性能や気密性能を高くして、さらに自然光や自然風を利用したパッシブデザインを取入たり、給湯器や照明も高効率にして、キッチンやお風呂、トイレなどもできるだけ節水で省エネな製品を選ぶことで、カーボンの排出を少なくします。
他にも太陽光パネルや蓄電池や今回ご紹介したV2Hなどを設置し、なるべく電気を買わずに自家発電と自家消費ができるようにして、再生可能エネルギーも最大限活用します。
さらにまだ先だと思いますが、家を建てるときや壊すときに使う車や重機も、電気式とかハイブリッド式を当たり前にしたり、建材などの生産工場の省エネ化とかも進める必要もあります。
ただ環境省の資料では、建築から解体撤去までの家の一生で排出されるカーボンの75%が住んでいる間に消費されているので、建物自体を省エネにするのが1番効果的なことがわかります。
このLCCM住宅もZEHなどと一緒で、第三者機関の評価認定を受けることで、令和3年度は一戸あたり125万円の補助金が国から出ていました。ただZEHの条件を全て満たしたうえで、二酸化炭素収支を0以下にしないといけないので、今の建築レベルだと普及はもう少し先になると思います。
しかし国がZEH住宅の次の目標として、最終的に目指している住宅指標を知っておくことは大切だと思うので、ご紹介をさせていただきました。
ちなみに効果的な省エネ設備や気密住宅の具体的な作り方、パッシブデザインの注意点については、別の動画で詳しく解説しているので、興味のある方は下に貼ってあるリンクからぜひご覧ください。
●まとめ
今回ご紹介した家づくりの省エネキーワードは次の3つになります。
1.BELS
2.V2H
3.LCCM住宅
省エネな家が良いと思っても、いろいろな基準や言葉があり、本当に詳しい一部の人しかしっかり内容を理解していないのが現実だと思います。
そのため今回はそれぞれ表面の概要的な部分をお伝えしてて、もし少しでも興味を持っていただけたら、検索してもっと詳しく他のYouTuberの方が解説してくれている、動画を見ていただくと良いと思います。
実際にV2Hを採用した人が費用対効果の計測やメリットデメリットを発信していたり、BELSやLCCM住宅についても、有識者の方々が情報発信しています。
私の今回のブログはほんのさわり的な内容になりますが、これからマイホームを考える人にとって、少しでも参考になれば幸いです。
ご覧いただきありがとうございました。
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