2022.03.08
【コレを見れば大丈夫!】改正省エネ法についてわかりやすく解説!設計士に説明されても理解できます!
皆さんもせっかくマイホームを建てるなら、省エネでできるだけ光熱費がかからない、夏や冬も快適に過ごせる家にしたいと思いますよね?
ただ今までだと「うちの家は省エネ住宅です」とか、「夏冬快適に暮らせます」みたいに口頭で営業マンから言われるケースが多く、あまり信憑性が無かったかもしれません。
しかし2021年4月1日以降の契約から改正省エネ法が施行されて、その中の1つに設計する家が法律に適合した省エネ住宅か、法的な根拠を持って書面で説明する義務が設計士に定められました。
そこで今回のブログでは、どんな事をどんな手順で説明されるのか、概要をあらかじめお伝えをする事で、省エネ住宅の内容をしっかり理解したうえで、快適な暮らしを実現していただきたいと思います。
そもそも省エネ基準が何かわからない場合は、以前の動画で詳しくお伝えしていますので、下のリンクからチェックしていただけると幸いです。
大工時代を含めて15年以上、たくさんのお客様の家づくりにたずさわった経験をふまえて、これから家を建てる人が失敗しないための情報を、できるだけわかりやすくお伝えしますのでぜひ最後までご覧ください。
●省エネ基準の説明ポイント
まず結論から言うと、義務化された省エネ基準の説明ポイントは次の3つになります。
1.改正省エネ法について
2.省エネ住宅の基準
3.説明義務制度の概要まとめ
それでは1つずつ説明していきます。
1.改正省エネ法について
省エネ基準の説明ポイント1つ目は、改正省エネ法についてです。
今回の説明義務の元になっているのは、2016年に施行された「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」略して建築物省エネ法です。
今の時代はいろいろな所で省エネが強く求められています。しかし電化製品や運輸の分野ではエネルギー消費が減ってきている一方で、建築のエネルギー消費量は増加しています。そのため早急に、建物の省エネ化が必要という事で作られた法律です。
二酸化炭素などの温室効果ガスを削減するために、この建築物省エネ法を改正した法律が2021年4月1日から施行されています。
改正点は住宅に限らずさまざまな建築を対象にしていますが、住宅だと90坪300㎡未満の小規模住宅や建築物の設計をする時に、建築士からお客様に対して2つの事を書面で説明する事が義務づけられました。
1つ目が、設計する建物が省エネ基準に適合しているかどうか
2つ目が、省エネ基準に適合しない場合の、省エネ性能確保のために必要となる変更内容
この義務づけの意味は、実際にどんな家が省エネ住宅なのか、具体的にはわからない方もいると思うので、専門家から省エネ住宅に適合する家や、メリットについて説明してもらい、省エネ住宅に関してしっかり納得して家づくりができるようにするためです。
もちろん国の目標で2030年に温室効果ガスを46%以上削減、2050年には実質0にする方針を達成する意味もあります。ただ一般住宅の省エネ化は地球全体の省エネにもなるので、できるだけ光熱費などのランニングコストがかからない住まいを建築すると、地球環境に貢献できる事になります。
2.省エネ住宅の基準
省エネ基準の説明ポイント2つ目は省エネ住宅の基準で、外皮基準と一次省エネルギー消費基準の2つが定められています。
外皮基準
1つ目の外皮基準をかんたんに説明すると、家を囲っている材料にどんな物を使うかで決まる断熱性能の事です。床、壁、天井、屋根に性能の良い断熱材を使うと、夏の暑さの侵入や冬の暖房が逃げてしまうのを効果的に防ぐ事ができます。
実際に1番ポイントになるのは窓で、夏の暑さの侵入や冬の暖房の逃げの約6割が窓からになります。このため窓の数や大きさ、どのレベルの窓を使うかで、省エネ基準が満たされるか変わります。性能の低い窓が標準仕様の家だと、省エネ住宅にするために追加費用が必要になります。
一次省エネルギー消費基準
2つ目の一次省エネルギー消費基準もかんたんに説明すると、普段家で使う電気や都市ガスは二次エネルギーで、その二次エネルギーを作るために天然ガスや石油、石炭を燃やして生まれた力を利用する、火力発電や原子力発電が一次エネルギーです。
そこでエネルギー効率の良いエアコンや給湯器、LED照明とかを使い、できるだけ家で使う電気やガスの二次エネルギーを減らすと、比例して一次エネルギーが減って省エネ基準を満たす事ができます。
実際に省エネ住宅の基準を満たすには、家本体の断熱材や窓の性能を高め、できるだけエネルギー効率がいい電化製品を採用する必要があります。国土交通省が出しているデータだと、平成4年省エネ基準の家を今の省エネ基準レベルにするには、90万円程度の追加費用が必要とされています。
しかし省エネなぶん光熱費が年間6万円ぐらい削減できるので、ざっくり15年ぐらい暮らしていれば追加費用は回収できて、そこからプラスになるので家計的にも優しくなります。
ちなみに新築の時に性能を高めずに、後からリフォームで断熱改修をする場合には、230万円ぐらいかかる想定になります。なので先に性能を上げておいた方が、経済的に有利なのがわかります。
具体的な断熱材の選び方やおすすめの窓の種類、住宅設備のエネルギー消費ランキングについては、別の動画で詳しく解説していますので、下のリンクからぜひご覧ください。
3.説明義務制度の概要まとめ
それでは最後に、説明義務制度の概要をまとめます。
まず2020年4月1日以降に設計業務の委託を受けた設計士から、90坪以内の住宅を建築するお施主様に向けて、設計する建物が省エネ基準に適合してるかどうか、省エネ基準に適合しない場合の省エネ性能確保のために必要となる変更内容を、書面でお伝えする義務があります。
もしお施主様が説明を聞きたくない、必要ないと判断した場合には、書面によって意思表示をすれば省略する事ができます。
ただ基本的には住宅の省エネやメリットについて、ある程度理解していただくのはとても大切です。
また自分の建てる家が基準を満たしているか、満たしていない場合にどうれば良いのか、必要な追加費用や追加工期がどれぐらいかまで確認して、設計士からの説明を省略せずに書面交付を申し出ていただいた方が安心だと思います。
ちなみに省エネ基準に適合していなくても家は建てられるので、必ず省エネ住宅にしないといけない訳ではありません。
ただ個人的には追加費用がかかったとしても、光熱費の削減や暮らしの快適性向上、カビや結露の発生低減、ヒートショック防止にもつながるので、省エネ基準は最低限クリアしてほしいと考えています。
実際にどこまで家の性能を上げるかは、ご予算や価値観、ライフスタイルにもよりますが、省エネ基準以外にもZEH基準やHEAT20など、やろうと思えばいくらでも上があります。
それぞれの基準の家にする際の追加費用はもちろん、光熱費などのランニングコストの差もふまえて比較検討し、満足できるマイホームを作るために判断してほしいと思います。
●まとめ
今回ご紹介した省エネ基準の説明ポイントは次の3つになります。
1.改正省エネ法について
2.省エネ住宅の基準
3.説明義務制度の概要まとめ
今までは言葉だけで「省エネ住宅です」と説明される事も多かったと思います。しかし法改正によって今後は、設計士から書類でしっかり性能内容を説明してもらえるので、納得して省エネ住宅を選べるようになっています。
でもいきなり、省エネ住宅について説明されても良くわからないと思いますし、概要だけでも先に知っておいた方が、実際に説明を受ける時に理解も深まり、お客様も冷静な判断ができると思います。
今回のブログ内容が全てでは無いですが、これからマイホームを考える人にとって、少しでも参考になれば幸いです。
ご覧いただきありがとうございました。
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