2021.12.07
【わかりやすく解説】マイホームにかかる2つの税金を完全攻略!
皆さんの中にマイホームを建てるとき、土地や建物の購入コストだけでなく、住んでからどんな税金がかかるか心配という方はいらっしゃいますか?
賃貸のアパートやマンションの税金は大家さんが払っているので、どんな土地建物の税金があっていくら払うのか、わからなくて不安という方も多いと思います。ただ一戸建ての税金はそれほど複雑ではなくて、基本を理解して準備しておけば問題ありません。
今回のブログでは、マイホームを建てたときにかかる税金をわかりやすくお伝えして、未来への不安に対してしっかり準備できるように、なってもらいたいと思います。
大工時代を含めて15年以上、たくさんのお客様の家づくりにたずさわった経験をふまえて、これから家を建てる人が失敗しないための情報を、できるだけわかりやすくお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。
●マイホームにかかる税金
今回ご紹介するマイホームにかかる税金は次の2つです。
1.不動産取得税
2.固定資産税・都市計画税
どちらもすでにマイホームで暮らしている方にはおなじみの税金です。しかしこれから家を建てる人からすると未知のことなので、基本知識としてお伝えしたいと思います。
ちなみに今回は一戸建てのマイホームを前提にしていて、賃貸用の家やマンションだと少し条件が変わる部分もあるのでご注意ください。
またこれからご紹介する税金の軽減措置などは、期限や適用条件が細かくあったりします。そのため自分たちが当てはまるかどうかは、必ず所轄の税務署や自治体の税務課などに確認するようにしてください。
それではひとつずつ解説します。
1.不動産取得税
マイホームにかかる税金1つ目は、不動産取得税です。
不動産取得税は、土地や建物を取得したときに1回だけかかる、都道府県に納める地方税です。各自治体が土地建物それぞれで算出した評価額に、控除や調整をして課税標準額を出し税率を掛けて計算します。
建物の不動産取得税は本来の税率が4%ですが、令和6年3月31日までに取得すると3%になる軽減措置があります。さらに新築住宅なら一般住宅で1,200万円、国が認定する長期優良住宅なら1,300万円を控除して、残りの額に課税する特例措置もあります。
これらの軽減措置は建物の床面積が50㎡以上240㎡以下、坪にするとざっくり15坪以上60坪以下が条件です。ただし長期優良住宅の特例は、令和4年3月31日までの措置なので注意が必要です。
土地の不動産取得税は、建物を建てる宅地を令和6年3月31日までに取得すると、建物がなくても評価額を1/2にして、さらに軽減税率3%を掛けて計算する措置があります。
また土地を買って3年以内に建物を建てると、「45,000円」もしくは「土地1㎡あたりの評価額×建物の床面積の2倍×3%」のどちらか多い金額を、土地の不動産取得税から軽減できます。
一戸建てのマイホームにはいろいろな軽減措置があるので、私のお客様から聞いた話だと、一般的な50坪前後の土地に30坪前後の建物なら無税のケースが多いようです。およそ40坪以上のある程度大きい建物から、徐々に税金がかかるイメージになります。
ただ計算の元になる評価額は、建物なら使う屋根材や外壁材、内装や設備、構造や仕様などを考慮して算出します。また土地はそれぞれの条件や、公的機関が発表している場所ごとの公示価格などを元に計算します。
そのため「何坪ならいくら」のように、ひとくくりで明確にお伝えするのが難しくなっています。ちなみに不動産取得税の納税方法は、取得してからおよそ半年~1年半後くらいに納税通知書が届くので、それを持って支払うことになります。
2.固定資産税・都市計画税
マイホームにかかる税金2つ目は、固定資産税・都市計画税です。
固定資産税は、1月1日時点の所有者に納税義務があり、各市区町村の一般的な財源に充てられる普通税で、所有している限りかかる税金です。
また固定資産税以外に、道路や公園、下水道などを整備する財源確保のための都市計画税が設定されている地域もあります。土地と建物両方の課税標準額に、0.3%を上限とした税率で課税されます。
まず建物の固定資産税は、評価額がほぼそのまま課税標準額になり、そこに1.4%を掛けて計算します。
ただ建物の床面積が50㎡以上280㎡以下、坪だとざっくり15坪以上85坪以下を条件に、120㎡(約36坪)以下の部分までの税額を1/2にする控除があります。期間は一般住宅が3年間、長期優良住宅は5年間適用されます。
そのためか「建物は36坪以内にした方が良いんですよね?」とたまにお客様に聞かれることがあります。しかし固定資産税の控除部分だけを切り取って、36坪以内にしてもたった3年や5年のあいだ半額になるだけです。
しかも36坪を超えた部分の控除がないだけで、36坪以上にすると50万円、100万円と税金がプラスになるわけではありません。個人的には長い目で見たときに、いろいろと希望を我慢してまで抑えることではないと思います。
もちろんコンパクトな家の方が、建築コストも光熱費もメンテ費用も比例して抑えられるので、無理なく面積を抑えられるならおすすめします。
土地の固定資産税は各市区町村の出した評価額に、面積による特例措置や急に税金が上がらないための負担調整措置をして、算出された課税標準額に標準税率の1.4%を掛けて税額が決まります。
一般的な住宅用地だと、面積200㎡までの部分は評価額が1/6、200㎡を超える部分は評価額が1/3に軽減されます。
また都市計画税は、面積200㎡までの部分は評価額が1/3、200㎡を超える部分は評価額が2/3になります。このため60坪以上の土地を購入すると、少し割高になるイメージです。
ここまでお伝えした軽減措置の割合や条件は、市区町村の条例で変わることもあります。そのため必ず家を建てる地域の役所に、どのような措置や条件があるか確認するようにしましょう。
ちなみに私の住む愛知県豊橋市だと、50坪の土地に30坪の2階建てのマイホームを取得したとき、固定資産税と都市計画税を合わせて10万円~15万円ぐらいが相場なので、近くにお住まいの方は参考にしてください。
●まとめ
今回ご紹介したマイホームにかかる税金は次の2つになります。
1.不動産取得税
2.固定資産税・都市計画税
家を建てるのが初めての方にとって、税金は難しいイメージがあるかもしれません。しかし毎年かかる固定資産税は、特にしっかり準備しておく必要があります。
ただこの税金を抑えるために、必要以上に建物や土地を小さくしたり、使う素材や設備を妥協したりするのはおすすめしません。もちろん家や土地を無駄に広くする必要はないですが、いろいろな物を削っても税金が大きく変わるわけではないです。
例えば外壁や窓のグレードを落とせば、将来のメンテ費用や光熱費が余分にかかります。また面積を小さくしすぎれば住みにくくなり、日々の使いやすさを助けてくれる設備を節約すれば、時間をロスしたり疲れたりしてしまいます。
税金のために家を小さくしたり設備を落としたりしすぎると、より豊かに、より快適に、より幸せに暮らすという、マイホーム本来の目的が失われることになります。
まずは住み心地が良く便利に生活できるか、家のランニングコストや将来のメンテナンスコストを抑えられるかをしっかり考え、必要だと判断したら少し税金が多くかかっても、家の満足度を優先すべきだと思います。
今回のブログが全てではないですが、これからマイホームを考える人にとって、少しでも参考になれば幸いです。
ちなみに税金以外のマイホームの固定費削減ポイントや、15年後に必要な3つのメンテナンスコストについて別の動画で詳しく解説しています。興味のある方は下のリンクからぜひご覧ください。
ご覧いただきありがとうございました。
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