2020.12.15
【実際いくらかかるの?】家を建てた人のお金事情を公的調査データで解明!資金計画の参考
みなさんは、他の人がいくらぐらいで家を建てているのか、気になった事はありませんか?
実際、人は人、世帯での収入も違えば子供の人数、ライフスタイルも違うのであまり当てにしずぎるのも良くないですが、自己資金はどれくらい貯めてから建てたかとか、ローンはいくら借りたとか、自分たちの家を建てる計画の参考にちょっと知りたいですよね?
そこで今回は国土交通省が2019年度に行った「住宅市場動向調査報告書」という資料を参照して、その具体的な数字を見ていきたいと思います。
これは注文住宅や建売、リフォームなんかについて、実際に行った人に質問をした調査で、金額の総額や自己資金はどれくらいか、住宅ローンの借入額とかも分かるモノになっています。
注文住宅については、791人が回答しているので、ピックアップして解説しようと思います。
これを見てもらえれば、家を建てた他の人のお金事情がはっきり分かって、マイホームを建てる際の参考にしてもらえるはずです。
大工時代を含めて15年以上、たくさんのお客様の家づくりをお手伝いしてきた経験を踏まえて、出来るだけわかりやすく解説していきますので、ぜひ最後まで読んでください。
家を建てた人のお金事情4つの項目
この調査では、いろいろな項目の回答が出ていますが、今回はお金について気になる、次の4つをピックアップして解説します。
1.家を建てるのにいくらかかったか
2.住宅ローンをいくら借りたかと自己資金の割合
3.住宅ローンの返済年数
4.住宅ローンの負担感はあるか
1.家を建てるのにいくらかかったか
まず1つ目、家を建てるのにいくらかかったかは、この住宅市場動向調査報告書にある住宅建築資金総額の項目で見ると、全国平均で3,235万円になっています。
この数字は結構高いなと感じた人もいれば、まあこれくらいかなという人もいると思います。
よく広告チラシなどで900万円で建つよ、みたいなのを見たことがある人は余計、このギャップにビックリするかもしれません。
もちろんこの統計の中には、坪80万とか坪100万とかの大手ハウスメーカーも入っているし、例えば有名建築家が施工管理するようなフルオーダー住宅なんかも入っていて、あくまで平均値になるので注意してください。
ただこの金額で私が注目したポイントは、土地代金は入っていませんが、申請費用などの諸費用とか、地盤改良や水道工事の付帯工事費とか、建物本体工事以外の費用も含めたコミコミの金額になっていることです。
以前のブログでもお伝えしましたが、家を建てるときは諸費用や付帯工事費というのが、建てる土地の条件や環境によってものすごくかかります。
要するに今回の統計の諸経費などを含めた家の全国平均の3,235万円から、条件によって変わりますが300万円~700万円ぐらいの諸費用や付帯工事費を差し引くと、2,500万円~2,900万円ぐらいが建物本体工事費用ということになります。
正直私の会社の場合は、2,000万円~2,500万円ぐらいのお客様が多いので、意外と建物金額が高いなと感じました。
当たり前ですが、この全国平均金額を知ったからといって、無理にご予算を下げる必要も上げる必要もないので、一つの参考にしていただければと思います。
ちなみに、家を建てる時の諸費用や付帯工事の注意ポイントについては「予算オーバーの定番4つを公開!」というブログで詳しく解説していますので、興味のある方はぜひ読んでみてください。
土地購入資金の平均
ちなみに土地の購入資金の全国平均は1,353万円です。
これは全国平均だと東京のような地価のとても高いエリアが入ってしまうので、分けてお伝えすると首都圏の東京、神奈川、千葉、埼玉では2,068万円、大都市圏を除いたその他の地域は1,183万円になり、およそ倍近い土地の金額差があります。
土地に関しては、建物本体と違いエリアによって大きな金額差が出るため、東京を含めた全国平均を見るのではなく、みなさんが建てようと考えている地域を具体的に調べた方が、現実的な参考になります。
土地の価格については、全国地価マップなどさまざまな参考になるサイトがあるので、興味がある人は自分の該当する地域の土地の値段を調べてみましょう。
まとめると、土地と建物と諸経費などすべてを含めたコミコミ費用は、3,235万円と1,353万円を足すので4,600万円ぐらいになります。
2.住宅ローンをいくら借りたかと自己資金の割合
次に、家を建てた人が住宅ローンをいくら借りたか、自己資金の割合はどれくらいか、について見てみたいと思います。
まず住宅ローンをいくら借りたかはこの調査によると、全国平均で2,356万円になっています。
そして自己資金の割合は、この調査の自己資金比率で見ると27.2%で、先ほどの住宅建築資金総額3,253万円にかけると約880万円になります。
正直これも、私的には自己資金の比率が高いなとて感じましたが、注意してほしいのが、この調査結果は、全部自己資金で建てたような年配の人も入れての平均で、一般的に多い30代の若い人の家づくりだと、実際にはあまり自己資金を入れずに建てている実態があると思います。
3.住宅ローンの返済年数
続いて住宅ローンの返済年数ですが、この調査の平均返済期間で見ると、全国平均で32.1年になっています。
一般的な住宅ローンの返済期間の最長が35年なので、30〜35年の間で組んでいる人が多いことがわかります。
実際に、若い人の住宅ローンの返済年数の設定の仕方は、基本的には最長の35年で設定しておいて、もし返済が完了する年齢が定年よりも長くなるようなら、頑張って少しずつでも繰り上げ返済をして、返済年数を短くしていく人が多いです。
なるべくそのお客様が組める最長の返済年数で組んだほうが、いろいろな面でリスクヘッジになり融通もきくのでオススメです。
実際の返済期間に関しては、借入先の金融機関やお客様の年齢、固定金利型にするか変動金利型にするかでも、返済方法やスタンスは変わってくるので、あくまでひとつの参考として考えていただけると幸いです。
4.住宅ローンの負担感
最後に住宅ローンの負担感について見てみたいと思います。
負担感とは簡単に言えば、住宅ローンを組んでみて大変かどうかという意味ですが、この調査結果によると、
・非常に負担感がある 10.8%
・少し負担感がある 53.8%
・あまり負担感はない 27.2%
・全く負担感はない 7.2%
・無回答 1%
となっています。
「非常に負担感がある」と「少し負担感がある」を合わせた64.6%の人が、負担を感じながらも頑張って家を建てて返済をしているのがわかります。
逆に、負担をあまり感じずに住宅ローンを支払っているご家庭も3割以上いることがわかります。
実際にはこれも「どこまでを負担と考えるか」によって変わるので、その感じ方は個人差がかなりあると思います。
しかし、せっかく理想のマイホームを建てても、10%の方が思っている「非常に負担感がある」と感じたくはないですよね?
どうせなら、負担をあまり感じない生活で、快適に暮らしていきたいし、少なくともこのブログを見てくださっている方や、私の会社で建築されるお客様には、そうなってもらいたいと心の底から思っています。
それには、将来を見据えた明確な資金計画と予算設定、土地や建物などのバランスが非常に大切になってきます。
「負担感」についても、普段あまり聞くことがないデータなので、家づくりの参考に少しでもなったら嬉しいです。
まとめ
最後まとめに入りますが、国土交通省が令和元年に行った「住宅市場動向調査報告書」をもとに、実際にマイホームを建てた人のお金事情を解説させていただきました。
おさらいをすると、1つ目の家を建てるのにいくらかかったかは、全国平均で3,235万円であることがわかります。
2つ目の住宅ローンをいくら借りたかは、全国平均で2,356万円になっています。
また、自己資金比率は27.2パーセントなので、先ほどの住宅建築資金総額の平均3,235万円にかけると、自己資金は約880万円ということがわかります。
3つ目の住宅ローンの平均返済期間は、全国平均が32.1年で、現実には30〜35年で組んでいる人が多いと思われます。
4つ目の住宅ローンの負担感については、約65%の人が負担を感じ、残り約35%の人は、負担を感じていないという結果になっています。
マイホームは、夢を持って楽しく建てるものですが、一方で漠然としたお金の不安がずっと付いて回る高い買い物で、なかなか初めの一歩が踏み出せないという人が多いと思います。
しかし、このように家を建てている人の実際の数字を見てもらうと、比べる基準ができて少し安心できたり、ざっくりとですが借入金額や返済期間の目安にもしてもらえると思います。
当たり前ですがお金はすごく大切で、資金計画はとても重要なので「お金」や「住宅ローン」について、今回はお話をさせていただきました。
住んでから「しまった」「借りすぎた」と後悔しないように、これからマイホームを考えている人の参考に、少しでもなれば幸いです。
※参照サイト
国土交通省
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