2020.10.27
【防災!】水害に強い土地の選び方!被害を避ける4つのポイント
これから土地を買って家を建てる計画の人にとって、水害に遭いそうな土地かどうかは、とても気になるポイントの1つじゃないでしょうか。
私は15年ほど工務店として家づくりをお手伝いしていますが、お客様と土地探しの話になると「水害に強い土地が良い、どうしたら探せますか?」という質問をよくいただきます。
そこで今回は、水害に強い土地の選び方を4つに絞ってお伝えし、土地を買う前に自分で「この土地なら大丈夫そうだな」と危険予測ができるようになってもらいたいと思います。
もちろん、この見分け方だけで完璧というわけではないですが、洪水などの水害に合うリスクはかなり減らせると思うので、ぜひ最後まで読んでみてください。
水害に強い土地 4つの選び方
結論から言うと水害に強い土地の選び方は次の4つです。
1.ハザードマップを見る
2.周囲の家のつくりを見る
3.地名から判断する
4.地域の年配の方に話を聞く
理由としては、水害は未来に起きることですが、そのリスクを減らすには過去の事例から推測するしかないからです。
以前の土地の探し方のブログと少し被る内容もありますが、それぐらい重要なポイントなので、しっかり確認してみてください。
1.ハザードマップを見る
ハザードマップというのは、自治体ごとに川や沼などの洪水の危険度や、その被害がどこまで広がるかなどについて、ランクで色分けをしてある地図です。
これを見ると一目瞭然でどこに洪水の危険があるか知ることができて、しかも土地だけでなくどこの道路が冠水しやすいかや、避難所はどこかなどもわかるようになっています。
土地を買うなら自宅の安全性はもちろん、逃げることも考えて選べればベストです。
そのため、土地については「水害の危険度は低いかもしれないけど避難所が遠い」とか、「途中の道路が水没しそう」とかも含めて考えられます。
水害以外のハザードマップもある
また、山が近い地域では土砂崩れの危険度や、沿岸部だと津波の危険度についてのハザードマップも作られているため、そのような環境の土地を選ぶときにはぜひ参考にしてください。
ハザードマップについては、以前の「買っちゃダメな土地」というブログでも紹介していますので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
2.周囲の家のつくりを見る
買おうかどうか迷っている土地を見に行くときは、その地域にある家のつくりにも目を向けてみると、よりたくさんの情報を集められます。
たとえば、水害の多い地域では敷地を道路より高くしたり、高基礎といって家のコンクリート基礎部分を、普通よりも2倍3倍と高く作っていたりします。
1階が全部車庫になっていて、その上を居住スペースにしているような、2階建て3階建ての家が多いのも、水害が多い地域の特徴です。
これは万一洪水が起きても、家の中まで被害が及ばないための工夫です。
また、家のつくりだけでなく、家の外壁や基礎、外のブロック塀などが不自然な高さで上下に色が変わっているようなら、過去に水没して変色した跡の可能性もあります。
治水の想定を超える水害が起きている
最近は「治水(ちすい)」という川の氾濫を防ぐ工事技術が高くなっています。
しかし、温暖化などによる異常気象で、治水が想定している量をはるかに超える雨水が川に流れ込み、被害を引き起こしているのも事実です。
よく周りの家を観察して水害の多い地域か少ない地域かを予測し、水害に強い土地を選ぶための材料にしましょう。
3.地名から判断する
実は地名には、その地域の昔の特徴が関係していることがあり、昔から水害が多かったことがわかる地名があります。
たとえば、水に関係する、川、沼、池、沢、浦、浅、深、などが地名に含まれていると、昔は水害によく遭っていた可能性があります。
さらに、水辺や湿地にいることが多かった亀や蛇といった生き物や、柳や芦といった植物の字が含まれている地名は、大雨が降ると川があふれてして浸水してしまう地域だった可能性があります。
水害の可能性があることを知っておこう
何百年も前のことが要因で地名が付いていて、今は全く水害の危険がない地域もあります。
また、地名変更で水害に関係ないのに水に関わる字が使われている地域もあり、必ずしも水害の危険性があるとは限りません。
しかし、土地を買って家を建てれば一生住むことになると思うので、後悔しないように少しでも可能性があるなら、買う前に知っておいても損はないですよね?
まずは地名を確かめて、水などに関係ありそうな字が使われているなら少し警戒をしつつ、実際にはハザードマップや現地を見に行き確かめるようにしましょう。
4.地域の年配の方に話しを聞く
土地購入を検討している地域の、できれば年配の方に地域環境や水害の話を聞くと、かなり細かい情報を教えてくれる事があります。
「あそこの川は昔、氾濫したことがある」という、大きな話が聞けるかもしれません。
また「この水路はすぐに水があふれるから子供は気をつけたほうが良いよ」「ここの土手は大雨ですぐに崩れる」といったピンポイントな情報もあるでしょう。
こういった生の情報はハザードマップには載っていないため、土地購入の際の判断ポイントとしては非常に大切な情報です。
必ず新しい話が聞けるとは限りませんが、知合いのご両親様などがその地域に住んでいたり、現地に聞き込みに行く機会があったりするなら、ぜひ質問をしてみましょう。
水害の多い地域で気をつけてほしいこと
ここからは、水害に強い土地の選び方ではないのですが、どうしても水害が多い地域に家を建てることになった場合に、気をつけてほしいことを2つお話したいと思います。
水害が多い地域は地盤が柔らかいことが多い
まず、水害が多い地域は地盤が柔らかいことが多く、家を建てる際に地盤改良工事が必要になることがあります。
地盤改良工事というのは、柔らかい地面に家を建てても傾かないようにする補強工事の事で、やり方にもよりますが、100万円ぐらいは費用がかかってきます。
しかし、土地を買う前に地盤調査をして地盤改良工事が必要か知ることは物理的に難しいです。
そのため、水害が多い地域では地盤改良工事費がかかることを前提にして、100万円ぐらいの予算を組んでおくことをおすすめします。
後から追加になってガッカリするより、あらかじめ予算だけ見ておいて、必要なくなったらラッキーの方が気分もいいですよね。
火災保険の水災補償を確認する
つぎに、家を建てると火災保険に入りますが、その補償範囲を火事だけでなく、水災という洪水などの被害もカバーできる内容にしてください。
今の火災保険は家のさまざまな被害を補償する総合保険になっていて、火事だけでなく台風や大雪、洪水などの被害も補償されます。
しかし、火事以外の補償を外すと保険料を安くできるため、お任せで入った火災保険だと水災補償が外されていることがあります。
万が一水害に遭っても、保険で補償されれば本当に助かりますから、もしリスクがある地域で建てるなら、必ず水災補償を付けるようにしましょう。
まとめ
最後まとめに入りますが、水害に強い土地の選び方は、以下の4つの方法です。
1.ハザードマップを見る
2.周囲の家のつくりを見る
3.地名から判断する
4.地域の年配の方に話を聞く
ハザードマップは、家を建てようとする地域のリスクはもちろん、避難所の場所やどの道路が冠水するかも分かり、広い範囲での安全性を確認できます。
土地の情報集めの時だけでなく、現地の下見にも持って行き、危険を予測するために活用しましょう。
周囲の家のつくり方を見ると、過去にその地域で水害被害があったかどうかを知ることができます。
家や土地が道路に対し高かったり、外壁や基礎に上下で色が分かれるようなシミがあったりしたら、過去に水害があった可能性があります。
ハザードマップ上では安全な地域でも、そうした家が多いなら念の為注意をして、土地を選ぶようにしましょう。
地名に水に関わる字が使われているなら、昔は水害が多かったり、田んぼや沼地で地盤が緩かったりする可能性があります。
大昔の事が原因で名付けられているため、今でも100%危ないとは限りませんが、頭の片隅にでも覚えておくといいでしょう。
地域の年配の方から聞ける話は、実際の生の話が多いので、どんな情報でも聞いておいて損はないと思います。
水害の話もそうですが、近隣環境、町内会の事やゴミステーションの位置などもついでに聞いておくと、実際に住み始めてからの暮らしもイメージしやすくなると思います。
これは本当におすすめです!
どんなにいい場所に、どんなにいい家を建てても、水害に遭ってしまったら台無しです。
これから家づくりを考えている人にとって、水害リスクを減らす一つの方法や考え方として、少しでも今回のブログが参考になれば幸いです。
ご覧いただきありがとうございました。
今後も随時更新予定です!
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