2020.08.04
【秘策】欠陥住宅を回避する3つの質問!工務店社長(元大工)がリアルな現場事情を大暴露!
前回も話しましたが欠陥住宅は普通に存在します。
しかし自分たちの家が欠陥住宅になるなんて絶対に嫌ですよね。
そこで私自身が10年間大工として培った現場の経験と、現在経営者だからこそわかる工務店の実情を踏まえて、欠陥住宅を回避するためのリアルな話をしたいと思います。
このテーマは前回と今回の2部構成になっていますので、前回をまだ読んでいない方はぜひ目を通してから、今回のブログを読むことをお勧めします。
お伝えしていることに気をつけながら工務店を見てもらうと、注文住宅と建売のどちらでも欠陥住宅をかなりの確率で避けられるようになります。
ぜひ最後まで目を通してみてください。
前回のまとめ
本題に入る前に前回のまとめですが、下請け構造の闇という負のスパイラルがあるため、工期が短すぎる会社や金額が安すぎる会社は要注意という話しをしました。
工期が早いことは住み始めも早くなるため一見プラスに感じますが、建物にはもともと適切な工期というものが存在します。
建物にもよりますが基礎の着工から大体4ヵ月位が適切な工期のため、たとえば2ヵ月や3ヵ月で完成するとしたら何か理由があるはずです。
もちろん、ダラダラ作業をしたり段取りが悪かったりして遅いのは良くありませんが、まだその方がマシとも言えます。
工期が短いということは大工さんや電気屋さんなど、職人さん全員の仕事の質に負担をかけてしまうからです。
建築中はアパート代もかかるため、たしかに早いことはうれしいのですが、それよりも建物を丁寧に作ってくれる方が優先ではないでしょうか。
短期工期と安すぎる金額が問題
また短期工期のほかにも、金額が安過ぎるという会社も問題です。
建物金額は材料費もありますが、それ以上に人件費が大きなウェイトを占めています。
建物の材料費はメーカーさんとの価格交渉だけで安くするのは限界があるため、建物金額が相場よりも安い場合は人件費をかなり削っている可能性があります。
つまり実際に家を作っている職人さんの単価を削ってしまい、安かろう悪かろうの家になってしまう恐れがあるのです。
しかもそれは、壁紙や床のようなぱっと見てわかる表面ではなく、壁の内側など隠れてしまう部分に発生しやすくなります。
住宅会社を見て回るときには、建物の仕様に対して工期や金額が適正か、この2つをしっかり情報収集して見極められるようにしてください。
現場管理の裏側
ではまず本題として現場管理の裏側について話したいと思います。
私の会社を例にお話しすると、現在は年間の着工棟数を20棟以内に制限しています。
これは、現場監督1人が適正に管理できる棟数がおよそ10棟と考え、現在現場監督が2人いるため合わせて20棟としています。
ただし、私の会社でも年間30棟や40棟をやろうと思えば、今の2人の体制でも可能です。
経営的な目線だけで考えればその方が生産性も高く利益も残しやすいわけですが、それではただ建物を完成させているだけで適正な現場管理はできません。
欠陥住宅の故意的な要素
冒頭でもお伝えしたように欠陥住宅ができる仕組みは、故意的な要素と知らない間にできてしまう過失的な要素に分けられます。
故意的な要素とは工期が短かったり、金額が安かったりすることが原因で起きてしまうことです。
一方過失的な要素とはたとえば、職人さんの知識不足による施工不良や、それを現場監督が正す管理体制ができていないために起きてしまうことです。
現場管理で大切なこと
基礎の配筋検査や建物の中間検査、完了検査は、行政で決められているため一定の水準が保たれます。
しかし検査対象以外では、現場監督が現場に行くのが週に1回なのか2回なのかによって、施工不良の見落としなど建物品質に差が出てくる可能性があります。
もし、監督が現場に行かなくても建物品質が保たれるなら、その分のコストをお客様に還元できて会社も負担が軽くなるため、お互いがWIN-WINになります。
最小限の現場管理で品質を確保することは、会社の経営的には求めていいかもしれませんが、その仕組みや体制ができていないのに管理を怠っている会社も見られます。
もっとも力を入れるべきは建物品質
私は勉強のために年間50棟や100棟を建てているような会社を、全国へ視察に行くことがあります。
しかし、実際に現場を見せてもらうと、もう少ししっかりと現場管理をした方がいいのでは?と思うこともあります。
現場には会社の名前が入った囲いがあったり、目立つ看板が掲げてあったりして、しっかりした会社に見えてとても魅力的です。
しかも、年間にたくさんの棟数を作るということは、それだけお客様に選ばれ喜ばれているわけですから、素直にすごいと思います。
しかしまずやるべきは建物品質の確保であり、そこにもっとも力を入れるべきではないか?と私は考えています。
建物は等価交換である
私の会社の考え方としては、OBのお客様からのご紹介を除き不要な値引きは一切していません。
それは単純にお客様に対してフェアではないし、建物は明確な等価交換であると自覚を持っているからです。
2,000万円の価値を持つ建物を提供して、その等価としてお客様から2,000万円をいただく、それが常識的な考え方だと思います。
しかし建物に欠陥があれば当然価値は下がり、それでも2,000万円をいただこうとすれば、80の価値に対して100をもらうことになります。
私の会社もまだまだ完璧ではありませんが、いただく金額と等しい建物をしっかりと提供するという姿勢は、社員全員の共通認識として明確に持つようにしています。
さいごに
職人さんもプロなので誇りを持って丁寧に仕事をしてくれますが、やはり完璧ではありません。
それだけで建物の品質が完璧になるなら、現場監督という職業は存在しないと思います。
職人さんの腕を借りて正しい知識を持った現場監督が、適切に現場を管理するからこそしっかりした建物が完成します。
最後にまとめますが工務店を回るときは工事期間はどれくらいか、建物の金額はいくらか、年間の着工棟数と現場監督の人数、この3つを質問してみてください。
担当の営業さんから納得のいく回答が得られれば、とても安心できる建物と言えます。
構造やデザインも大切ですが、その工事と管理方法が間違っていたら全く意味がありません。
今回話した内容を少しでも参考にしていただいて、素敵なマイホームを建ててもらえたらうれしいです。
ご覧いただきありがとうございました。
今後も随時更新予定です!
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