2022.04.23
【住宅会社の本音!】施主支給をして良い工事とダメな工事を徹底解説!!
皆さんもせっかくマイホームを建てるなら、理想の家を叶えるのはもちろん、できるだけコストも抑えたいって思いますよね?
かと言って自分が付けたい設備を妥協したり、耐震とか断熱とか、家の基本性能を落としてまでコストダウンするのも嫌だとなった時に、登場するのが施主支給という方法になります。
建築する際に使われるいろいろな設備や材料を、自分で安くネットで買ったり、知り合いが建築資材を扱っている会社に勤めてるとか、友達が電気屋さんや水道屋さんとか建築関係の業者さんだったりすると、住宅会社を通さず直販してもらえるので安く買えることがあります。
また、工事も友達価格でしてもらえて、設備や材料を妥協せずにコストダウンする事が可能になります。一見、ここまで聞くとかなり有効な手段で、できるところは施主支給にしようと思うかもしれないですし、実際にハピナイスでも希望される方は一定数いらっしゃいます。
ただ、結果的にお客様の不利益になる可能性が高いので、個人的にはおすすめできませんし、ハピナイスではお受けしていません。
なので今回は、施主支給しない方が良い理由と、施主支給しても良い工事を具体的にお伝えして、自分たちのマイホームでどんな選択をするべきか、暮らし始めてから問題が起きないように、後悔しないように、判断材料の1つにしてもらえたら幸いです。
ちなみに今回ご紹介する以外でも「ここも注意した方が良い」「こんなトラブルがあった」みたいな生の声を頂けると有り難いので、良かったらYouTubeの方にコメントください。
大工時代を含めて15年以上、たくさんのお客様の家づくりに携わった経験を踏まえて、これから家を建てる人が失敗しないための情報をできるだけわかりやすくお伝えしますので、ぜひこのタイミングでYouTubeのチャンネル登録をして頂き、最後までご覧ください。
●施主支給のリスク
まず結論から言うと、施主支給しない方が良い理由は3つになります。
1.保証
2.品質
3.工期
それでは1つずつ説明していきます。
・保証
施主支給のリスク1つ目は保証で、キッチンとか照明とか家に付帯する設備は、建築する住宅会社が、設備本体と合わせて設置まで材工で一緒に引き受けて、万が一何か設備本体に問題があったり、施工に不備があった場合は、当たり前ですがすべて住宅会社の責任になるのが一般的です。
でも今回のように施主支給の設備、例えばIKEAのキッチンを自分で買ったり、友達の会社から直販で照明を買って設置だけ住宅会社にお願いする場合は、後から何かしら不具合が起きた時に、責任の所在をハッキリさせるのが難しいケースも多くなります。
もともと設備本体に問題があったのか、施工に問題があったのか、言い方は悪いですが責任のなすり合いになってしまいます。
そうなると施工した住宅会社にも、設備を購入した所にも取り合ってもらえなかったり、仮に対応してもらえても、保証が使えず無駄に有償になったり、修理のやり取りも全部自分で手配段取りをしないといけなくなります。
普通に冷蔵庫とか洗濯機とかなら、買い替えだけで工事もいらないし、一般のお客様でも対応できると思いますが、住宅に付帯する設備や材料だと、故障の状態や原因が上手く伝えられなくて何度も連絡したり、立会いも全部自分でやって時間も取られるので、結構ストレスになります。
あとは通販とか購入した場所によっては、安い代わりに保証自体がそもそも無い可能性もあるので、施主支給の場合には問題が起きた時にどのような対応になるのか、保証はあるのか、それぞれしっかりと確認するようにしましょう。
・品質
施主支給のリスク2つ目は品質で、住宅会社が扱っている設備の場合は、何十年と暮らす中でできるだけ不具合が起きないように、基本的には品質や保証面も含めてメーカー選定や、製品選定を行っています。
さらに納品された設備を検品して問題があれば即交換して、施工要領もしっかり把握して健全に設置をしていきます。
でも施主支給の場合は、デザインは確かに可愛いけど聞いた事ないメーカーだったり、見るからに品質が悪そうな設備であっても何も言えないこともあります。
なので、いくら丁寧に工事しても壊れやすかったり、そもそも普段使わない仕様のモノだったりすると施工要領もわからず、適切に設置できているかも判断ができません。
なので結果的に不具合が起きる可能性も高まりますし、例えば思ったより照明の明るさが暗いとか、使い始めてすぐに金具が取れてしまったとなっても、責任を取る事ができずに結果的にお客様に迷惑をかけて、負担を大きくしてしまう可能性があります。
・工期
施主支給のリスク3つ目は工期です。
住宅会社に設備も含めて材工でお願いする場合、コロナで輸入がストップしてるとか生産中止みたいに不可抗力の場合は仕方ないですが、普通は工事スケジュールが遅れないように、ゆとりを持って設備を発注して、納品検品して、問題がなければ職人さんに依頼して施工をしてもらいます。
でも設備を施主支給する場合は、住宅会社側からこの日までに納品しといてくださいと教えてもらえるとは思いますが、当然その日までに自分で購入して、品質に問題がないか検品して、必要な時期まで保管して、現場まで運ぶ必要が出てきます。
そこで万が一、取付のタイミングになってこの部品が足りないと発覚したら、関連する後工程の工事も全部スケジュールを組み直すことになります。
最悪の場合は全体の工期が遅れて、場合によっては住宅会社側にも損害が出てしまったり、物理的に引渡しが延びて、アパートの家賃が余分に発生してしまう可能性があります。
以上、施主支給3つのリスクはこのような感じで、少し極端な例も多かったかもしれませんが、実際に起きてしまう可能性はどれもゼロではないと思います。もちろん、ここまでご紹介した事を織り込んだうえで、施主支給を選択されるなら全然良いと思います。
ただ実際に施主支給しても何百万円という単位で安くなる訳ではないし、目先だけでなく長期視点で考えた時に、リスクとリターンが合わない気がするので、個人的には避けて頂くのをおすすめしています。
●施主支給しても良い工事
ただその中でも、リスクを抑えながらコストダウンできる、施主支給しても問題ないと思える工事が2つあるのでご紹介したいと思います。
・カーテン
まず1つ目の工事はカーテンです。
住宅会社によっては、カーテンも含めてトータルコーディネートして、施工までする所もありますが、個人的にはしっかり下地の位置や納まりさえあらかじめ住宅会社と打合せできていれば、施主支給でも問題ないと思います。
ただ注意点としては、ネットショップとかで物だけ購入して、住宅会社に施工してもらうパターンだと同じリスクが付きまといます。
なので、地元のカーテン専門店とかで材工で依頼するようにして、なおかつ工期とかも心配しなくて良いように、建物が完成して引き渡された後に、カーテンの寸法取りから納品、施工からアフター保証まで、しっかり責任を持って工事してもらうようにしましょう。
ちなみにカーテンの選び方や良くある失敗については、別の動画で詳しく解説しているので、興味のある方は下に貼ってあるリンクからぜひご覧ください。
・外構
続いて2つ目の工事は外構です。
外構は敷地まわりのフェンスや駐車場のコンクリート、カーポートやお庭のウッドデッキ設置みたいな工事の事です。
家とは切り離された外部の工事になるので、基本的に建物の保証や品質に直接関係ないですし、カーテンと同様、家の引渡し後に施工すれば工期にも影響しないので、自分のペースで進める事ができます。
ただ工事自体は後でも、建物と密接に関係する重要な要素なのは間違いないので、可能であれば家の間取りと合わせて外構デザインも並行して打合せを進めて、後からちぐはぐにならないように、しっかり外構計画も進めておくようにしましょう。
ちなみに失敗しない外構設備の選び方や、外構業者を施主支給にする際の注意点については、別の動画で詳しく解説しているので、心配な方は下に貼ってあるリンクからぜひご覧ください。
以上、施主支給でも大丈夫だと思える工事を2つご紹介しましたが、基本的にどんな工事をするにしても、材料の手配と施工を同じ業者さんに頼むのがおすすめで、その方がアフターケアもしっかり受けられるし、品質の担保や工期の管理も安心できるようになります。
ただ家の引渡し後に、例えば家を作った業者さん以外で太陽光パネルを設置してもらったり、リフォームをする場合には、建物改造の扱いになって、そこに関連する部分の家の保証が免責になってしまう可能性があるので、工事をする前に必ず住宅会社に確認するようにしましょう。
●まとめ
以上全体のまとめに入りますが、今回は施主支給のリスクとして、保証、品質、工期の3つをお伝えして、最後にカーテンと外構工事についてご紹介させて頂きました。
今はいろいろな設備や材料がネットとかで安く買えますし、ウッドショックとか建材全体の高騰で建築コストが大幅に上がっているので、費用を少しでも抑える手段として、施主支給とかできる所は自分でDIY、みたいに考える方もいらっしゃると思います。
ただ実際に、施主支給にはリスクがあるのも確かで、絶対に辞めた方が良いとまでは言えないですが、基本的には一生に一度の、大きなお金をかけて叶えるマイホームですので、長い目で見た時に、何が1番良いかという基準で判断してほしいと思います。
今回の内容が全てでは無いですが、これからマイホームを考える人にとって、少しでも参考になれば幸いです。
ご覧いただきありがとうございました。
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