ZEHだけでは届かない未来の家──電気代0円住宅との違いを解説

【Q&A】
Q：ZEHと電気代0円住宅はどこが違うの？ どちらが未来の家づくりに向いているの？

A：ZEHは「省エネ＋創エネ」でエネルギー収支をゼロに近づける家、電気代0円住宅はそこに“蓄エネ”を加えて、電気を家の中で循環させながら光熱費をほぼ0円に近づける家です。

“未来の家”という視点では、電気代の高騰に左右されず、停電にも強く、暮らしの自由度が高い電気代0円住宅の方が一歩先の考え方と言えます。

こんにちは！HAPINICEです。
最近は電気料金が上がり続けていて、家づくりを考えるご家族からも「将来はもっと上がるのでは？」という不安の声をよく聞きます。
そんな中で注目されているのが電気代0円住宅です。

よく聞く「ZEH」とはどう違うのでしょうか？

この記事では、それぞれの特徴や違い、生活のしやすさ、家計への影響をわかりやすく紹介します。
読み終わる頃には、自分たちの暮らしに合う家がどちらなのかがはっきりわかります。
光熱費の悩みを軽くしたいご家族は、ぜひ最後まで読んでくださいね。

よく聞く「ZEH」って何？【ZEH（ゼッチ）とは？】

ZEHとはNet Zero Enegry House（ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス） のことをいいます。

Net Zero Enegryとは、正味のエネルギー消費と生成でプラマイゼロ、つまり年間でエネルギーの収支がゼロになることを目指しましょうということなのです。

「ネット・ゼロ」の考え方をやさしく説明

普段の暮らしでは、エアコン・照明・冷蔵庫・給湯器など、家の中でたくさんのエネルギーを使います。
つまり家庭のエネルギー収支は いつもマイナス（＝使う一方） です。

でも、このまま「使うだけ」では、電気料金は上がるし、エネルギーも足りなくなってしまいます。

そこで生まれた考え方が “ネット・ゼロ（正味ゼロ）” です。

■ ネット・ゼロとは？

使うエネルギーをできるだけ減らして、足りない分は自分の家でつくって補う。
その結果、年間の収支をゼロにする。

という仕組みです。

とても簡単に言うと…

「使う分は自分でつくってチャラにしましょう」という考え方。

■ ZEHは、 “完全な自給自足じゃなくていい”

ZEHで目指す、エネルギーのネット・ゼロは

• 昼に発電した分が多くてプラス
• 夜に電気を買ってマイナス
• これらの合計が年間でゼロならOK

という仕組みなので、
24時間ずっと自給できる家ではない のが特徴です。

ZEHが生まれた背景・・・省エネ政策・エネルギー対策・カーボンニュートラル

ZEHは、国の省エネ政策の一環として2014年頃から積極的に推進され始めました。
理由は、

• 住宅の省エネ化が遅れていた
• 日本のエネルギー自給率の低さ
• 東日本大震災後の電力不安
• 電気料金の上昇
• カーボンニュートラルの流れ

こうした社会的背景から、「家庭のエネルギー消費量そのものを減らす家づくり」が求められたためです。

■ 法的な位置づけ

ZEHは法律で義務化されているわけではありませんが、
国の省エネ基準をベースにした非常に重要な指標とされていて、

• 補助金制度（ZEH補助金 55～100万円程度）
• 住宅ローン優遇

など、政策面でも支援されています。

2030年には「新築住宅はZEH基準の省エネ性能を確保すること」が国の方針として掲げられ、今や “これからの家の基準” といえる位置づけになっています。

ZEHの家をつくるには？【3つの条件】省エネ・創エネ・設計上のネットゼロ

ZEHの家を建てるためには、
次の 3つの条件 をクリアする必要があります。

① 省エネ性能をしっかり高めること（断熱・気密・高効率設備）

ZEHの基本は「使うエネルギーを減らすこと」。
断熱材・窓・換気システムなどを強化して、冷暖房のムダをできるだけカットします。

＝建物そのものがエネルギーを使いにくい家にすることが最初の条件。

② 太陽光発電でエネルギーを“つくる”こと（創エネ）

省エネだけではエネルギーはゼロになりません。
そこで、屋根に太陽光発電をのせて自家発電を行います。

＝使う量を減らしながら、自分でもエネルギー産み出します。

③ 年間のエネルギー収支を「正味ゼロ」にすること（※設計上で）

ZEHでは
消費するエネルギー量（調理・給湯・照明・換気など） − 太陽光発電でつくるエネルギー量 ≤ 0
となることが条件です。

ただしこれは、
「実際に住んで1年間の電気代がゼロになる」という意味ではありません。

ZEHで重要なのは、『国が定めた計算方法でシミュレーションしたときに、年間のエネルギー収支がゼロ以下になる設計ができているか』 という点です。

・昼は太陽光で発電してプラス
・夜は電気を使ってマイナス
この“プラスとマイナスの合計”を、計算上ゼロにできていればクリア。

＝実際の暮らし方に左右されず、「設計上ゼロにできる性能を持った家」 というのがZEHの考え方です。

ZEHは「実際の暮らしで電気代がゼロになる家」ではなく、
あくまで国の基準上 “ゼロにできる性能を備えた家” という位置づけ。

省エネと太陽光発電のおかげで、昔の住宅よりずっとエコではあるけれど、

電気代が高騰している今は、
“昼の売電価格 ＜ 夜の買電価格” という逆転が起きやすく、
ZEHだけでは電気代がかかってしまう可能性が高くなっているよ。

ZEHの考え方に蓄電池で「蓄エネ」をプラス──未来型「電気代0円住宅」

電気代0円住宅は、ZEHの考え方をさらに進化させた“次世代型の住まい”です。
大きな違いは、太陽光でつくった電気をためて活用できる 「蓄電池」 を組み合わせる点。
この1つの追加で、家のエネルギーの流れが大きく変わります。

● 昼の太陽光を夜まで使えるようになる

従来のZEHは、昼間に発電した電気はその場で使うか売電するしかありません。
しかし蓄電池があれば、余った電気をしっかりためて、
電気の単価が高い夜に自家消費できます。
これにより「昼の売電（安い） → 夜の買電（高い）」という逆転現象を防げます。

● 電気代の“自給自足”が現実的に

太陽光＋蓄電池の組み合わせなら、
家でつくった電気で生活のほとんどをまかなうことが可能になります。
もちろん、季節や天候によって多少の買電はありますが、
年間の電気代を限りなくゼロに近づける現実的な仕組みが出来上がります。

● 停電に強く、災害時も安心

蓄電池がある家は、停電しても
冷蔵庫・照明・スマホの充電など生活の基礎機能が維持できます。
特に小さなお子さんのいる家庭では、安心感が大きく違います。

● 家計にも将来にもやさしい住まい

電気代が高騰し続けるいま、
“電気を買う量を減らす”という考え方は家計のリスクヘッジにもなります。
さらに、CO₂排出を減らす点でも環境負荷が小さく、
これからの時代に合った住まいと言えます。

【電気代0円住宅の収支】実現のトータルコストと気になる経済効果

ただし、蓄電池をプラスする分初期費用はかかります。

とはいえ、電気代0円住宅は「最初にお金はかかるけど、長い目で見ると家計がラクになる」住まいです。

【1】設備にかかるコスト（デメリット）

• 太陽光発電：100〜170万円前後
• 蓄電池：150万円前後
• 将来の交換メンテナンス費用：蓄電池は10〜15年、太陽光は20〜25年で交換可能性あり
  ➡ 初期費用は一般住宅より300万程度高くかかります

【2】得られる経済効果（メリット）

• 電気代がほぼ0円
  　→ 年間15〜25万円の節約になる家庭が多い
• 電気代の高騰に左右されない
  　→ 「毎月の固定費が増えない」安心感
• 長期的にはプラス収支も
  　→ 初期投資は10〜15年で回収できるケースが一般的
• 余剰電力の売電収入もあり
  　

【全体の収支】

• 初期費用は高い（デメリット）
• でも毎月の電気代がほぼゼロ（メリット）
• 結果、長期的には“家計がプラスになる家”

東三河のように日照量が多い地域では、特に効果が出やすく、“導入価値の高い住宅”になる可能性が十分にあります！

まとめ

電気代0円住宅は、
「初期費用は少しかかるけれど、毎月の電気代がほぼゼロになり、
長く住むほど家計がラクになる新しい住宅のかたち」です。

省エネ住宅 → ZEH → 電気代0円住宅 という流れの中で、
“エネルギーの節約”だけでなく“つくる・ためる・使う”を
すべて自分の家で完結できるようになったのが最大の進化ポイント。

とくに日照量の多い東三河エリアでは、
電気代0円住宅のメリットが大きく現れやすく、
家計の安定と快適性の両立が期待できます。

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