2022.10.23
【注文住宅】人気だけど、実は後悔だらけ!?スキップフロアのメリット・デメリットを徹底解説
スキップフロアの欠点、もっと早く知りたかった
スキップフロア、このモデルハウスでも実際に採用していますが、見た目的にもお洒落だし、空間の有効活用が出来るので、可能なら取り入れたいって考えている方も少なくないと思います。
ただ当たり前ですがデメリットもそれなりにあるので、しっかり理解把握をせずに、必要な対策を打たずにそのまま採用してしまうと、後悔に繋がる可能性が高くなります。
そこで今回のブログでは、「スキップフロアのメリット・デメリット」を詳しくご紹介しますので、暮らしてから「なんか使いにくい」「これは盲点だった」「やめれば良かった」って後悔しないように、採用可否を判断する際の参考にして頂けると幸いです。
大工時代を含めて15年以上、たくさんのお客様の家づくりに携わった経験を踏まえて、有益な情報を出来るだけわかりやすくお伝えしますので、ぜひこのタイミングでチャンネル登録をして頂き、最後までご覧ください。
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それでは1つずつ解説します。
●メリット
1.開放的で明るい
まずスキップフロアのメリット1つ目は「開放的で明るい」って事です。
基本的には壁で仕切らずに、斜め上と斜め下に階層を変える事で空間を分けるので、床面積以上の広がりを感じられるし、窓からの光や目線も奥の方まで通って、明るく開放的な印象になります。
あとスキップ部分は吹抜けや高天井にする事がほとんどなので、縦方向の広がりも合わせて感じる事ができるし、見渡す空間の中に大きな段差が出来るので、見た目の変化からスタイリッシュで個性的、お洒落な雰囲気を醸し出してくれます。
2.土地の高低差を活かせる
スキップフロアのメリット2つ目は「土地の高低差を活かせる」って事です。
一般的に土地に高低差がある場合には、高い方に合わせて盛土するか、低い方に合わせて土をすき取る選択肢しかないですが、スキップフロアの場合は1階2階って感じでフロアが限定されないので、敷地に大きな傾斜や段差があっても、それに合わせた中間の階を作って、地形を生かした家にする事が出来ます。
なので無理に盛土や切土をしなくて済む分、造成費用の削減になるし、傾斜が原因で安くなっている土地を購入すれば、出費を抑えられるっていうメリットにも繋がります。
3.有効面積が増える
スキップフロアのメリット3つ目は「有効面積が増える」って事です。
これは作り方にもよりますが、1階2階の間に中2階を作ったり、下に半地下や上にロフトも作れるので、家が縦に何層にも分かれるイメージで、普通の2階建ての家に比べると、上から見た建築面積が同じでも、実際の家の中の有効面積は多くなります。
なので敷地の広さが限られているような狭小地で、コンパクトな家を建てる場合には得にメリットが享受できて、物理的な居住面積が増える分、収納を増やす事も出来るし、書斎を作ったり、ビルトインガレージを設置する事も可能になります。
ただ一般的にスキップフロア部分は、固定資産税の対象にならないように天井高を1.4mに抑えたり、作り方に気をつけないと普通に3階建てとして見られてしまうので、場合によっては使い勝手が悪くなったり、計画の工夫がそれなりに必要になります。
●デメリット
1.耐震性の確保が難しい
ここからは反対にデメリットをご紹介したいと思いますが、まず1つ目は「耐震性の確保が難しい」って事です。
スキップフロアの家は、冒頭のメリットで紹介したように部屋と部屋の間仕切り壁が少なくなるので、単純に地震に耐える為の耐力壁が減ってしまう傾向にあります。
あとは普通の2階建ての家の場合、1階の床、2階の床、それぞれワンフロアで連続した広い面を確保する事で、地震で力が加わった際にも水平剛性で強度を保つ事ができますが、スキップフロアの場合は床の段差が沢山あって水平剛性が確保しにくいので、大きな吹抜けのある家と同じイメージで耐震性は劣ってしまいます。
なのでこのチャンネルで何度もお伝えしていますが、スキップフロアを作る場合にも例外なく、地震に対して国が認定する最高レベル、耐震等級3は必ず取得してほしいですし、簡易的な壁量計算じゃなくて、部材一つ一つの耐性を計算する許容応力度計算で、基礎構造まで含めて設計するようにしましょう。
2.建築費が高い
スキップフロアのデメリット2つ目は「建築費が高い」って事です。
これは単純に階段や段差を沢山作ったり、床の面積が物理的に増える分、普通の家以上に材料費や職人さんの施工費がかかるので、当たり前に建築費は割高になります。
あとスキップフロアは構造が複雑なので、実用性とデザイン性を兼ね備えた間取りを作るには、設計する際にも結構時間がかかるし、許容応力度計算で耐震等級3を取得しようと思うと、階層の数や作り方にもよりますが、普通よりもかなり緻密に設計する必要があります。
建築費の追加費用に関しては、計画によってケースバイケースになるので明確にはお伝えできないですが、30坪の家で階層を5つに分けるとしたら、最低でも100万円以上、作り方によって200万円300万円はプラスになる可能性があるので、しっかりその分の予算も見ておくようにしましょう。
3.バリアフリーではない
スキップフロアのデメリット3つ目は「バリアフリーではない」って事です。
これは当たり前の話ですが、スキップフロアの場合は段差や階段が多くなるので、どちらかというと時代の流れとは逆行しているイメージで、「今どきの家はバリアフリーだから良い」「平屋はワンフロアで完結出来るから理想」みたいな感覚とは真逆になります。
これはそれぞれの価値観や家の優先順位によって変わるので良い悪いの話では無いですが、段差が多い分、フラットな床と比べたら当然掃除は大変になるし、ルンバの可動域も減ってしまいます。
あと若いうちは全く問題ないし、足腰が鍛えられて良い面もあると思いますが、それでも年を取った時には大変になると思うので、可能なら寝室やリビング、お風呂やトイレなど、生活の中で必ず行き来する動線の所には「段差を付けない」、みたいな配慮の上で、スキップフロアを計画するようにしましょう。
4.設計者が重要
スキップフロアのデメリット4つ目は「設計者によって大きく左右される」って事です。
これは家のデザインや間取りの良し悪しが設計者のスキルに依存するのと同じ話で、スキップフロアを計画する場合には、よりその差が色濃く現れます。
基本的にスキップフロアを採用する理由としては、
・見た目の開放感や抜け感が好き
・空間を有効活用出来るから
だいたいこの2つに集約される事が多いと思いますが、構造の造りをしっかり把握していて、空間を立体で考えられる設計者でないと、ただ室内に段差があるだけで開放感が無かったり、見た目はお洒落だけど動線が悪い、せっかくのスキップフロアなのに何か使いにくいって後悔してしまいます。
この辺りは実際の施工事例を見せてもらったり、考え方など話を聞く事である程度その会社の実力が判断できると思うので、プラスα、先程お伝えした耐震性も合わせて確保してもらえるか、地震に対しての知識も必ず確認するようにしましょう。
●まとめ
ちなみに以前の動画で、吹抜けやインナーガレージで失敗しない方法、耐震等級3が必須な理由について詳しくお伝えしているので、興味のある方は概要欄のリンクからぜひご覧下さい。
ご覧いただきありがとうございました。
今後も随時更新予定です!
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