2022.05.03
【入居して1年】念願の吹き抜け・・・禁断の後悔ランキング5選!!
「吹き抜け・・・やめておけば良かった。」
皆さんもマイホームを計画する際、一度は吹き抜けを付けるかどうか検討した事があると思います。
玄関でもリビングでも1箇所あるだけで、陽の入り方や開放感もガラッと変わって、1階と2階の空気循環もしやすくなるので、個人的にはお薦めな設計手法の1つになります。ただ正直、デメリットや後悔の声が1つも無い訳ではありません。
そこで今回のブログでは、「せっかく付けたのにやめておけば良かった」ってならないように、「吹き抜けの後悔ランキング5選」をお伝えして、予め吹き抜けへの理解や対策を考えてもらいたいと思います。
大工時代を含めて15年以上、たくさんのお客様の家づくりに携わった経験を踏まえて、有益な情報を出来るだけ分かりやすくお伝えしますので、ぜひこのタイミングでYouTubeのチャンネル登録をしていただき、最後までご覧下さい。
それでは1つずつ解説して、最後におまけで固定資産税の話もお伝えします。
■LDKが寒い
吹き抜けの後悔第5位は、LDKが寒いです。
吹き抜けはLDKに設ける事が多いので、物理的に上方向に空間が広くなる分、冷暖房の効きが悪くなります。特に冬場は、エアコンとかの暖気が吹き抜けを通して全部上に上がってしまって、下のリビングが寒い、しかも光熱費も高くなったという話を良く聞きます。
この対策としては、まず大前提として家の断熱性能や気密性能を高くする事が重要で、温熱環境を整える事で、冷暖房が効きやすい状態を作ります。
具体的な断熱基準でいうと、最低でも「ZEH基準」、可能なら「HEAT20のG1、G2」ぐらいをクリアするのが理想で、気密性能に関してはC値1以下がベストになります。
断熱や気密について良く分からないって方は、以前の動画で詳しく解説していますので、下のリンクからぜひご覧ください。
あとは+αで吹き抜けの天井にシーリングファンを設置するか、床にサーキュレーターを設置して、強制的に空気が上と下でぐるぐる循環するように計画する事で、リビングが寒いという問題を解決する事ができます。
■間取り
吹き抜けの後悔第4位は間取りに不満で、主に2つあります。
吹き抜けを作る事は、本来部屋に出来る部分の床を抜くので、2階の部屋数が減ってしまったり、1つ1つの部屋の大きさを調整する必要があります。
暮らし始めてから、やっぱりもう少し吹き抜けを小さくして、FCLを大きくしておけば良かったとか、寝室を大きくしておけば良かった、みたいな後悔になります。
あとは実際に吹き抜けがあると耐震的にも配慮が必要で、どうしてもリビングの真ん中に柱が必要とか、変な所に壁が必要になるケースもあります。
図面上ではイメージも湧かないし、そんなに気にしていなかったけど、実際に生活する中で苦になってしまって「もっと考えておけば良かった」と後悔してしまう方もいらっしゃいます。
この2つは、直接吹き抜けに原因がある訳ではないですし、間取りプランの作成段階である程度考えないといけない事ですが、各居室や収納スペースとのバランス、1階間取りとの優先順位も含めて、吹き抜け設置の有無や広さを考えるようにしましょう。
■窓で失敗
吹き抜けの後悔第3位は、窓で失敗です。
これはせっかく吹き抜けの部分に窓を付けて、室内が明るくなるように、開放的で快適な空間にしたかったのに、意外と日差しが強くて夏はカーテン閉めっぱなしで残念とか、隣の家の2階から丸見えでプライバシーが守りにくい、といった後悔になります。
基本的に吹き抜け窓は、LDKの関係で南側に持ってくる事が多く、冬は暖かくて快適ですが、夏は逆に暑くなりすぎて、室内がオーバーヒートしてしまう可能性があります。
なので、南側に面して吹き抜け窓を設置する場合は、庇やルーバーなどの日除けを付けたり、夏は割り切ってカーテン生活を前提にする事が大切です。
隣の家との位置関係や窓の場所とかも考慮しながら、間取りによっては一年を通して一定の光を取り入れられる北側での配置も、検討していただけると幸いです。
■メンテナンス
吹き抜けの後悔第2位は、メンテナンスが大変な事です。
これは例えば、吹き抜けの上の方に付けた大きな窓や、空気を循環させる為のシーリングファン、見せるための化粧梁やお洒落なペンダントライトなど、上方向に広がる吹き抜けの良さを十分に活かそうと思うと、いろいろな選択肢や方法があります。
ただ吹き抜けの大きさや位置によっては、窓が汚れていたり、シーリングファンの上にホコリがあって掃除したくても、背の高い脚立を使わないといけないとか、柄が伸びる掃除道具が必要とか、普通より労力を必要とするケースも多いです。
また物理的に危なかったり、片手間の掃除だとなかなか出来なくて、「そこまで考えてなかった」みたいに後悔してしまいます。
あともう一つ良く聞くのが、10年とか暮らす中で、吹き抜けの壁のクロスの日焼けが目立って張り替える時や、照明やシーリングファンを修理する時に、「1箇所照明器具を交換するだけなのに5万円もかかった」みたいな感じで、思っていたよりメンテナンス費用が高くて、後悔してしまうケースもあります。
正直、吹き抜けの工事が大変なのは当たり前で、例えば照明やシーリングファンは2階天井の中央部分に付ける事が多いですし、クロス張り替えも足元が安定していないときれいに施工できません。
なので範囲が広いと室内に足場が必要になったり、通常の工事費の他に高所作業費がかかる可能性もあって、まとめていろいろ修理交換出来ればまだ良いですが、工事量が少ないと余計に割高に感じてしまいます。
なので吹き抜けを設置する際には、窓掃除や器具交換などどのようにすべきか、場合によっては2階ホールから掃除道具が届くようにするとか、吹き抜けの一部分にスノコ床を設置するとか、ある程度暮らしてからの事も考えた上で、広さや位置を計画するようにしましょう。
■音と匂い
吹き抜けの後悔第1位は、音と匂いが筒抜けな事です。
これは吹き抜けと2階ホールが繋がっている間取りの場合で、例えば「遅い時間にリビングでTVを見たり会話している声が、意外と響いて寝付けない」とか、「夜勤でご主人が寝ているから、昼間に友達を呼べない」みたいな音に対する後悔があります。
あと匂いに関しても同じで、料理の匂いや煙が吹き抜けを通して上に上がってしまって、例えば2階ホールに干してある洗濯物に付いてしまったり、長年の間に壁紙に付着してしまう可能性があります。
実際に音や匂いに関しては、吹き抜けを付ける前からある程度想定できる事だと思いますが、「思っていたより声が響く」「思っていたより匂いが付く」みたいな感じで、1番ギャップが出やすい問題になります。
しかもここまでご紹介した4つの後悔は、事前に何かしら対策が出来ますが、音や匂いの筒抜け問題に関しては、2階ホールと繋げずに壁で囲う方法しか打つ手が無いので、選択肢がかなり限られてきます。
なので音や匂いに敏感な方は、吹き抜けの作り方を工夫したり、寝室を出来るだけ吹き抜けから離したり、物干しスペースの場所を配慮していただいて、暮らしてからの後悔やギャップが出来るだけ少なくなるようにしましょう。
■固定資産税
最後はおまけで、よく「吹き抜けを作ると固定資産税は上がりますか?」と質問を受けますが、基本的に吹き抜け自体は延床面積には参入されないので、床面積での課税はありません。
ただ実際に、吹き抜けを作らずに下屋にする場合と比べると、吹き抜けがある事で物理的な2階部分の空間は増えるので、それに比例して内壁や外壁の面積も増えて、試算方法によっては少額ですが課税される可能性があるので、覚えておくようにしましょう。
ちなみに別の動画で、家の造りや使用する素材、選ぶ設備によってどれぐらい固定資産税が増えるのか、前編と後編に分けて詳しく解説しているので、興味のある方は下のリンクからぜひご覧下さい。
●まとめ
それぞれの概要はここまでお話した通りで、吹き抜けはお洒落で開放的な空間を作りやすく、個人的にはお薦めしています。
ただ実際にデメリットはゼロじゃないし、暮らしてから「やっぱりやめれば良かった」と後悔される方が一定数いらっしゃるのも事実なので、しっかり検討する必要があります。
なので何となくで採用可否を判断せずに、本当に必要かどうか、デメリットを許容できるか、事前にどんな対策を講じられるかまで考えて、お洒落で快適なマイホームを実現するようにしましょう。
ご覧いただきありがとうございました。
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