2022.04.07
【税金が増えて失敗?!】太陽光は?床暖房は?固定資産税が増えるマイホームの基準を完全網羅!【前編】
皆さんもせっかくマイホームを建てるなら、自分の理想をできるだけかなえて、使い勝手の良い収納計画や家事が楽になる動線、素材や雰囲気にもこだわっておしゃれな家に暮らしたいって思いますよね?
ただ家は使う素材や採用する設備によって評価点がそれぞれ振り分けられ、固定資産税という税金が発生します。なので知らずに好みだけで家づくりをしてしまうと、家は理想通りだけど税金が思ったより高い請求が来てしまう可能性があります。
もちろん税金ばかり気にしていると、せっかくの家づくりが楽しくないかもしれません。大切なのは自分が選んだ素材や設備が、どのように評価されているのか、どれぐらい税金が増える可能性があるのか、あらかじめ理解した上で採用可否を選択することだと思います。
そこで今回のブログでは、どんな材料を使うと固定資産税が増えるのか、総務省が出している資料11項目のうち、前編でまず5項目、次回のブログ後編で残り6項目をご紹介して、それぞれ使う材料や設備によって自分たちの家の評価がどれぐらいになりそうか、ある程度判断できるようになってもらいたいと思います。
大工時代を含めて15年以上、たくさんのお客様の家づくりに携わった経験をふまえて、これから家を建てる人が失敗しないための情報を、できるだけわかりやすくお伝えしますのでぜひ最後までご覧ください。
●固定資産税の基準5項目
まず結論からいうと、今回ご紹介する固定資産税の基準は次の5つになります。
1.屋根
2.外壁
3.床
4.基礎
5.構造
これからお伝えする評点数は、1点が1円の評価額に相当するので、点数が低いほうが税金が安くなりますが、実際には使う材料の量によって補正係数を掛けて計算します。
例えば同じ片流れの屋根でも、屋根の角度が急だったり、軒が深い家の方が屋根自体の面積が大きくなって使う材料の量が増えるため、税金も高くなるイメージです。他にも家の形で凸凹が多いとか、窓や玄関など開口部の割合の多さでも外壁の量が変わるため、一概に評点数×家の面積がそのまま評価額にはならないので注意してください。
またそれぞれの建材の解釈は、詳細な内容が公表されている自治体の資料を元に解説しています。しかし実際にどう評価されるかや、そもそも評価対象になるのかは固定資産を評価する地方自治体や、個々の検査員の判断によっても多少異なることをご了承ください。
1.屋根
固定資産税の基準1つ目は屋根で、まず全体の形として勾配屋根と陸屋根にわかれ、その中で材質やグレードによって評点数が変わります。
勾配屋根は一般的に多い三角形の切妻や片流れなど、角度がついている屋根のことで、屋根材の種類によって表のように点数が付けられています。
まず瓦の上は、いぶし瓦や一文字瓦など純和風の家で使われる高級な瓦のことで17,090点、中は釉薬瓦で15,690点で、洋風などの家によく使われる瓦のことです。
次に繊維強化セメント板は、一般的によく使われているコロニアルやカラーベストなどのスレート材のことで、13,750点になります。
金属板の鋼板は、最近人気の高いガルバリウムで12,250点、和風とかで使われる高級建材の銅板は29,540点、一部の大手メーカーが採用しているステンレスは14,040点になっています。
アスファルトシングルは、海外の家などで昔から採用されている材料で9,170点、最後の建材型ソーラーパネルは屋根一体型ソーラーパネルのことで23,930点になっています。
瓦やガルバの上にソーラーパネルを載せる場合は、あくまで屋根の上に家電が設置してあると認識されます。そのため瓦やガルバの点数のみが加算され、一体型ではソーラーパネル自体が屋根材になるのでかなり評点数が高くなります。
次の陸屋根はフラットな形の屋根のことで、こちらも屋根材の種類によって表のように点数が付けられています。
まずシート防水は、合板の上に塩ビ系の防水シートを貼った仕上げで9,810点、FRP防水は繊維強化プラスチックを塗り固めた仕上げで15,090点、金属板防水はガルバリウムとかの鋼板を貼った物で、13,080点になります。
ちなみに屋根材の種類の違いや屋根の形によるメリットデメリットは、別の動画で詳しく解説しているので、興味のある方は下のリンクからぜひご覧ください。
2.外壁
固定資産税の基準2つ目は外壁で、こちらも材料の種類によって表のように点数が付けられています。
まず一般的に採用される事が多いサイディングは、窯業系や金属系、木質系などいろいろな種類がありますが、一括にサイディングとして7,530点が加算されます。
次の外壁吹付仕上はハピナイスが標準で使っている塗り壁や、リシン吹付けなどのことで5,900点、レッドシダーなどの板張りが6,480点、ガルバなどの鋼板が6,610点、この表の中だとタイル張りや漆喰壁が群を抜いて高くて12,000点弱ぐらいになっています。
繊維強化セメント板は、住宅よりビルなどによく使われる材料で4,750点、薄型気泡コンクリートは、要するにALCのことでヘーベルハウスのヘーベル板とかが該当するイメージで7,100点です。
外壁の個人的な点数の感想としては、サイディングが意外に高く塗り壁が意外に低い、あとは予想通り漆喰壁とタイル張りは点数が2倍ぐらい高いので、この2つを採用するときは施工コストはもちろん、その後毎年かかってくる税金も割高になることがわかります。
ちなみに、外壁の種類ごとの特徴や汚れ対策については、別の動画で詳しく解説しているので、興味のある方は下のリンクからぜひご覧ください。
3.床
固定資産税の基準3つ目は床で、表のように仕上げの種類も多いし、グレードも細かくわかれています。
まず畳からご紹介すると、上級品のい草を使ったものが9,520点で、樹脂系の少し安価なものが7,150点なので、少し評価点が高いことがわかります。
一般的によく使われている複合フローリングは、木質系床仕上げの中に分類されて5,680点、無垢の床は上になるので8,340点、水回りによく使われるフロアタイルやクッションフロアは3,580点か4,790点になります。
あと住宅で採用されることはあまり多くないと思いますが、グレードによってカーペットが4,370点か9,160点、石を貼る場合には1,7440点~4,8810点と結構高価です。タイルに関してはグレードというよりタイル本体の大きさで積算されて、大が30cm角以上で11,570点、中は20cm角ぐらいで10,020点、小は10cm角ぐらいで,8510点になります。
ちなみに設備として床暖房もご紹介すると、1㎡あたり14,260点になっているので、仮に20帖のLDK全面に30cm角タイルを貼ってその下に床暖房を設置した場合には、タイルで38万点、さらに床暖房設備で47万点が加算されるため、固定資産税としては結構高くなるので注意が必要です。
ちなみに複合フローリングと無垢の違いや、床暖房のメリットデメリットについては、別の動画で詳しく解説していますので、興味のある方は下のリンクからぜひご覧ください。
4.基礎
固定資産税の基準4つ目は基礎で、布基礎とかベタ基礎という施工方法の種類はなぜか関係なく、一律で基礎本体の高さによって評点数が決められています。住宅会社ごとに標準の高さが決まっていたり、敷地高さの関係で高基礎にしたりする条件でも変わると思いますが、一般的に多いのは45cmで13,980点が採用されます。
5.構造
固定資産税の基準5つ目は構造です。
木造の場合には、一般的に多い在来軸組工法とパネル式のツーバイフォー工法がありますが、先程の基礎と同様で区別はなく、一律木造は12,400点、鉄骨の場合が14,360点、鉄筋コンクリート造が20,660点になるので、大方のイメージ通りの評点数になっています。
ちなみに、在来軸組工法とツーバイフォーのメリットデメリットやプロが鉄骨より木造をおすすめする理由については、別の動画で詳しく解説しているので、興味のある方は下のリンクからぜひご覧ください。
●まとめ
以上ここまでのまとめに入りますが、今回ご紹介した固定資産税の基準は次の5つになります。
1.屋根
2.外壁
3.床
4.基礎
5.構造
それぞれの概要はお話した通りですが、マイホームを考えるとき使い勝手や見た目も大切ですが、それぞれ使う材料や設備によって、何十年と払う固定資産税の金額も変わってきます。
普通に税金は安いに越したことはないですが、家づくりはそれだけで選択するものではないと思います。なので自分達が実現したいライフスタイルや価値観を大切にしながら、どうしても選ぶのに迷った時の判断材料の一つとして、今回と次回の後編の内容も参考にしていただきながら、素敵なマイホーム建築をかなえていただけると幸いです。
ご覧いただきありがとうございました。
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