2021.06.06
【宣伝文句に要注意!】マイホームに家庭用蓄電池は必要か?プロが真実を徹底検証!
皆さんもせっかくマイホームを建てるなら、毎月かかる電気代をなるべく節約したいと思いますよね?
そのための手段として太陽光パネルとか蓄電池、エネファームのような創エネルギー系の設備を住宅会社から提案される事があります。
話だけ聞くとなんとなく良さそうだし災害時にもメリットがありそうと、気になっている人も多いと思います。
ただ実際には当たり前ですがメリットの裏にはデメリットもあり、今回題材とする蓄電池にも明確なデメリットが存在します。
たとえば蓄電池はお得になると思って付けたのに実際はそうではなかったり、暮らし始めてから「こんなの聞いてない」という欠点があったら、付けるんじゃなかったと後悔してしまうかもしれません。
そこで今回のブログでは家庭用蓄電池がなぜお得だと言われているか、初期投資の元が取れるかをメリット・デメリットを含めて明確にお伝えする事で、自分の家に蓄電池が必要かどうか判断でき、仮に必要な場合はどんなポイントで選べばいいのかも分かるように徹底的に解説したいと思います。
大工時代を含めて15年以上、たくさんのお客様の家づくりをお手伝いさせて頂いた経験を踏まえて、これから家を建てる人が失敗しないための情報を出来るだけ分かりやすくお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。
今回のブログの流れ
今回のブログの流れとしては、最初に蓄電池は元が取れるのかをお伝えして、その次に蓄電池のメリットである災害時に役立つ点を解説します。
そして最後に蓄電池を付ける場合の選ぶポイントとして、
①蓄電容量
②最大出力
③大きさ
④保証期間
の4つについて解説しながら、細かなデメリットの解決法もお伝えしていきます。
では1つずつ詳しく説明していきます。
蓄電池は元が取れるか
まず家庭用蓄電池がお得だと言われている理由を説明すると、契約する電力会社やプランにもよりますが昼間に比べて大体3割ぐらい電気料金が安い夜間の電気を、夜の内に蓄電池に貯めてそれを昼間に使う事で電気料金を節約できるという仕組みになります。
次に実際に蓄電池を設置した場合、設置費用の元が取れるか?という疑問についてですが、家庭用蓄電池の費用はメーカーや容量によって大体100万円~200万円ぐらいが相場で、生活時間帯や電気料金の契約プランにもよりますが電気料金がお得になるのは月に3,000円前後が一般的です。
なので単純計算して月に3,000円の得だと年間36,000円、100万円で蓄電池を付けたとしても元を取るには27年以上かかるので、蓄電池の寿命がたいだい15年前後と考えると、少し厳しい事が分かります。
蓄電池を付けても元が取れないのが分かると付ける意味ないと感じるかもしれませんが、本来の意味として蓄電池は「得するから付ける」という設備ではありません。
蓄電池を販売する業者の中には「付けたほうがお得」という宣伝文句で売っている会社もあるかもしれませんが、どちらかというと蓄電池は保険とかと同じで万が一のために、お金をかけて備えておく設備という位置付けになります。
それから蓄電池というと単体で付けるというより太陽光パネルと連携させるイメージの方が強いと思いますが、確かに毎月の電気代だけ見ると太陽光パネルだけの時より蓄電池を設置した方が安くなります。
ただ実際には蓄電池有り無しの両方のシミュレーションで比べると単純に元が取れる年数が増えてしまって、たとえば太陽光パネルだけだなら8年で回収できるのに、蓄電池を合わせると15年前後かかるみたいに、蓄電池の寿命を考えて損得でみるとプラスにならない可能性は高くなります。
なので結論としては蓄電池が今よりもっと流通して、高品質の物が安く購入できるようになれば別ですが、基本は蓄電池を単体で設置したり太陽光パネルと連携しても、元が取れない可能性が高い事が言えます。
災害時に電気が使える
次に蓄電池の災害時メリットをお伝えすると、ここまでお話した通り単純な損得だけで考えたら蓄電池は必要ないと思います。
しかし地震とか台風とかの災害で停電した場合、非常用電源として使える事に注目するのが重要になります。
たとえば停電になった時でも冷暖房をいれて空調も調節できるし、冷蔵庫の中の物が傷まないようにできたり、小さい子に温かい食べ物や赤ちゃんにミルクを作ってあげられたりするのはすごく役立つし、お金には代えられない価値になると思います。
ここで大切になってくるのが実際にどれぐらいの電化製品を使えるのかという事ですが、どの蓄電池を設置するかによって変わってくるので太陽光パネルと連携する場合もそうですが、選ぶ時は製品ごとにしっかりと仕様を確かめる必要があります。
蓄電池の選び方
蓄電池の選び方、ポイントは次の4つになります。
①蓄電容量
②最大出力
③大きさ
④保証期間
①蓄電容量
まず蓄電池の選び方、ポイント1つ目は蓄電容量で、この容量が大きければ大きいほど、蓄電池に電気を貯められるので、長い時間電気を使える事になります。
ただ一度にたくさんの電気製品を使えばそれだけ早く貯めた電気は無くなるので、何時間くらい使えるのかは冷蔵庫とかエアコンとか、どれくらいの電化製品を使うかによっても変わってきます。
たとえば夏場の災害で消費電力が仮にエアコン700W、冷蔵庫300W、その他スマホ充電とかで200W、合計で1,200W使うとしたら、今主流の蓄電池は5kWhが多いので、大体4時間くらい使える計算になります。
②最大出力
次に一度にどれくらいの電気製品をつなげられるかは、選び方のポイント2つ目の最大出力によって変わってきます。
最大出力は蓄電池が一度に出せる電気量の事で、最大出力が多ければ同時にたくさんの電気製品をつなげて使う事ができます。
たとえば今主流の蓄電池は最大出力が2,000Wぐらいが多いので、さっきの冷蔵庫やエアコンぐらいなら大丈夫という事になります。
あとリビングとか広い部屋用のエアコンやキッチンのIHは電圧が200Vなので、家庭用蓄電池を選ぶ際は100V用か200V用のどちらを選択するのかも重要になってきます。
いずれにしても選び方の基本としては災害で停電した時につなげておきたい電気製品を考えて、それを同時に使える最大出力を備えているか、その最大出力で何時間使える蓄電容量なのかを確かめるようにしましょう。
③大きさ
続いて蓄電池の選び方、ポイント3つ目は大きさです。
家庭用蓄電池の場合、屋内用か屋外用を選択できますが基本は屋外に設置するのが一般的で、小型のものでも50cm×50cmとか1m×30cmみたいな感覚で場所を取るので、あらかじめ設置位置を考えておく必要があります。
しかもメーカーによって変わりますが設置条件も細かくあり、年間を通じて-10℃~40℃の範囲内でないと設置不可、保証対象外になってしまったり、直射日光が当たらない場所、水はけが良くて結露しない場所、塩害地域は設置不可、みたいな感じで、機械なので当たり前ですが故障のリスクを避けるために意外と制限が多いので、蓄電池の大きさも含めて設置場所には注意するようにしましょう。
④保証期間
最後に蓄電池の選び方、ポイント4つ目は保証期間です。
蓄電池は本体代も結構高いし修理代も高くなりがちな設備なので、壊れてしまった時の保証期間もすごく大切です。
蓄電池の場合は本体ユニットの保証と蓄電池容量の保証に分かれていて、それぞれが10年か15年の設定が多くなっています。
これはメーカーによっても違い同じメーカーでも製品によって違うので、選ぶ時にはしっかり何年保証か確認するようにしてください。
さらに先程もお伝えしたように、基本的に蓄電池の寿命は10〜15年と言われていて保証期間とちょうど重なる感じになっているので、できれば10年保証より15年保証と出来るだけ長い保証の製品を選んだほうが、安心できておすすめになります。
まとめ
最後まとめに入りますが、蓄電池は現状ではよほど安く購入しない限り、設置した費用の元を取る事は難しいと思います。
ただ今の時代は気候も不安定で災害もたくさん起きているので、地震や台風で停電した時の非常用電源として備えておくには重宝する設備になります。
家族のためやもしもの時のために必要と考えるなら、太陽光パネルと蓄電池を連携して設置するとより効果的ですが、金額も安くはないので今回ご紹介させて頂いた選び方も参考にして、しっかり納得できる製品を選んでほしいと思います。
あと個人的な優先順位としては家の耐震性や耐久性という基本部分をしっかりと備えた上で、敷地条件やご予算が許すようであれば防災設備の一環として、導入を検討されるのがおすすめになります。
今回のブログがこれからマイホームを考えている人にとって、少しでも参考になれば幸いです。
ちなみに太陽光パネルについての注意ポイントやリスク、地震に強い家づくりの方法については、別のブログで詳しく解説しています。
下にリンクを貼っておきますので、興味のある方はぜひご覧ください。
ご覧いただきありがとうございました。
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