2020.07.21
【絶対に損する】創業50年の工務店社長が「買っちゃダメな中古住宅」について解説!
私は以前「中古住宅を購入して後から300万円以上かかって損をした」という方の話を聞きました。
中古住宅には「金額が安い」という圧倒的な選ぶ理由がありますが、一歩間違えるとそれをひっくり返すくらいの金額が、後からかかる中古住宅が存在します。
安くないなら何のためにわざわざ中古住宅にしたのか、まったくわからないですよね?
そこで、後から金額がかかる中古住宅を購入して後悔しないために、買っちゃダメな中古住宅を見極める3つのポイントを、わかりやすく解説します。
初めは新築を考える方が多い
マイホームにはもともと新築と中古住宅という選択肢があります。
しかし、アパート暮らしの方は夏は暑くて冬は寒い、結露やカビもすごいという経験をしているので、ほとんどの方が断熱もしっかりしていて快適そうな新築を検討します。
しかも、新築はキレイで地震にも強くて安心だし、注文住宅なら自分たちの好きなように建てられるため人気があります。
ところが、新築は金額が3,000万円、4,000万円と高いので、次第に中古住宅も考えるようになる方もいます。
家は同じ物がなく比較が難しい
中古車は製造工程や性能、燃費、見た目が一緒で、チェックするのは走行距離や事故歴などいくつかだけなので、お客様も購入の判断がしやすいと思います。
しかも、中古車は同じ車がたくさんあって比較もできるため、「中古車を買って何百万円も損をした」という話はあまり聞きません。
しかし、家は一物一価でまったく同じ物が存在せず比較が難しいため、後で金額がかかる中古住宅であることに気づきにくいのです。金額を抑えようと思って中古住宅にしたのに、後からたくさんの金額がかかるのでは、初めから新築の方が良かったということになります。
そこで、今回の「買っちゃダメな中古住宅を見極める3つのポイント」をしっかり押さえてもらえれば、後から金額がかかってしまうような失敗は防げるはずです。
できるだけわかりやすくお伝えするので、ぜひ最後まで読んで下さい。
ポイント1「ゴールが明確か?」
買っちゃダメな中古住宅を見極める1つ目のポイントは「ゴールが明確か?」ということです。
ゴールとは家についての価値観のことで、これは最初に明確にしておかないといけません。
自分たちが目指すべきゴールが定まっていないと、どういうプロセスを進んだら良いかや、何を判断基準にして決めれば良いかがわからないからです。
たとえば次のようなものです。
・家は自分達の代だけで、30年くらい住めれば良い
・子供達にも住み継いでもらいたい
・アパートよりマシで単に戸建てに住めれば良い
・どうせ暮らすなら快適に、おしゃれに、安心して暮らしたい
・家にそんなにお金をかけたくない
こういった価値観によって中古住宅を選ぶ基準は大きく変わります。
自分たちの価値観を決めておいて、その理想に対してギャップが少ない中古住宅を選べば、後から工事の金額がかかってしまうことは避けられます。
まずは自分たちの家に対する「ゴールを決める事」が大切で、これを明確にしてから次の2つのポイントを考えてください。
ポイント2「敷地が大丈夫か?」
買っちゃダメな中古住宅を見極める2つ目のポイントは「敷地が大丈夫か?」ということです。
これは主に「コンクリート壁」と「地盤」が大丈夫か、という意味になります。
新しいコンクリート壁には厳しい基準がある
道路や隣地に対して土地が高いときは、コンクリートの壁を作ったりブロックを積んだりして、土が崩れるのを防ぎます。
新しく作るコンクリート壁やブロック積みには自治体による厳しい基準があり、たとえば1メートルや2メートルといった高さごとの構造や、中に入れる鉄筋の太さや間隔がはっきりと決まっています。
この基準があることで地震があっても倒壊のリスクを避けられ、そばを通る人の安全が守られるのです。
古いコンクリート壁には基準がない
しかし、昔はそういった細かい基準がなかったため、中に鉄筋が入っていなかったり構造的な強度が計算されていなかったりする、倒壊の危険があるコンクリート壁がたくさん存在しています。
私もよく古い建物の現場調査に行くことがあるのですが、これは危険だなと思うコンクリート壁を結構見かけます。
もし、検討している中古住宅の敷地に古いコンクリート壁があったら、工務店の人などに必ずチェックしてもらうようにしてください。
中古住宅の地盤補強は難しい
地盤も十数年前までは今のように地盤調査が義務付けではなかったため、家が傾いていないから安心という訳ではありません。
また、心配だからと中古住宅の地盤調査をして弱い地盤だとわかっても、建物がある状態なので新築のように十分な地盤補強にはならないし、金額も100万円以上はかかってしまいます。
そのため、中古住宅を買う前には目視でいいので次のことを確認してください。
・建物が傾いていないか?
・基礎に大きな割れがないか?
・建物のまわりの地盤が沈下していないか?
もし、これらの現象があるようなら地盤に問題がある中古住宅の恐れがあるので、こちらも工務店の人などに早めに相談をしましょう。
ポイント3「建物が大丈夫か」
買っちゃダメな中古住宅を見極める3つ目のポイントは「建物が大丈夫か?」ということで、この建物では「構造」と「仕様」が大切な部分になります。
改築をするなら在来工法がお勧め
構造には木造だと昔からある在来工法と2×4工法、鉄骨造だと軽量鉄骨と重量鉄骨、さらにコンクリート造があります。
どの工法もメリット・デメリットはありますが、中古住宅を改築しようと考えているなら在来工法を検討してみてください。
在来工法は壁を取って部屋を広くしたり新しく窓を付けて明るくしたりすることがやりやすく、そうした改築の金額も他の工法に比べて抑えられるため、改築を考えているならお勧めです。
主な部分の仕様と状態を確認する
仕様とは建物の主な部分である屋根、外壁、柱、断熱材などが、それぞれどのような材料が使われているかを指しています。
そして、使われている材料によって耐久性が大きく変わってくるため、その主要部分の今の状態をしっかり確認することが大切です。屋根や外壁はすぐに塗り替えが必要か、そこから雨漏りをしていないか、床下は白蟻の被害にあっていないかなどを、念入りにチェックするようにしましょう。
過去の修理履歴を確認する
また、過去の修繕履歴を不動産屋さんに確認することも、後で金額がかかる中古住宅かどうかをチェックするために役立ちます。たとえば、耐用年数が10年の外壁材を使っているのに、修繕履歴を見ると20年経った今まで一回も塗り替えていないなら、かなり傷んでいる可能性があります。
さらに、その外壁から中に雨が入って柱が腐っていたり、断熱材が濡れてまったく機能していなかったりすることもあります。
私も大工時代にリフォームで外壁を剥がしたら、断熱材が湿気を吸って重さでずり落ちていたり、柱もカビで黒くなっていたりした建物を見かけました。
そのようなことにならないためにも、建物の主な部分に使われている材料は何かや、今までどのような修理がされてきたかをしっかりと確認しましょう。
図面や確認済証の有無を確認する
構造や仕様を確認するには、その建物の図面や行政から届く確認済証という書類が必要になるので、今も残っているかどうか不動産屋さんに聞いておきましょう。
また、図面や確認済証があると柱や耐震の壁の位置がわかるので、改築のときに構造の補強がしやすくなり、この柱は抜いても大丈夫かや間取りが変更できるかがわかります。
中古住宅は建物だけではなく土地もチェック
中古住宅は土地と建物の両方をチェックしなければならないので、正しく購入するのは結構レベルが高い作業です。土地については以前に書いたブログの「買っちゃダメな土地トップ3」で、災害や隣地境界など3つのチェックポイントを詳しくお伝えしています。そこでお伝えしたことと、今回の建物のポイントを合わせて注意してもらえれば、中古住宅での失敗はかなり防ぐことができる思います。
最終的にはプロへ必ず相談しよう
ただし、お客様がある程度知識を付けることは大切ですが、最終的には必ずプロの方に相談するようにしてください。たとえば、建物が傷んでいないかを調べるならホームインスペクターさんが専門家ですし、この建物で理想がかなうかや金額がどの程度かかるかは工務店さんがプロです。
土地のプロである不動産屋さんにも同時進行で相談しながら、中古住宅を探すのが最善の方法でしょう。
まとめ
最後にまとめですが、買っちゃダメな中古住宅を見極めるポイントは次の3つです。
「ゴールが明確か?」
「敷地が大丈夫か?」
「建物が大丈夫か?」
この3つをきちんと確認して、さらに「買っちゃダメな土地TOP3」の記事も読んでもらえれば、買っちゃダメな中古住宅を見極めることができるはずです。これから中古住宅の購入を考えている人には、本当に失敗してほしくないのでぜひ参考にしてください。
ご覧いただきありがとうございました。
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