2021.01.14
【回避必須!】マイホームが『寒くて暑い家』になるのは絶対イヤ!断熱材の選び方を解説
皆さんも、せっかく念願のマイホームを建てたのに、夏は暑くて冬も寒い家になったら、すごくがっかりしますよね?
家を建てたらアパートよりも絶対住み心地が良くなると思っていたのに、なぜか「全然快適じゃない」「アパートとあまり変わらない」という後悔の声も実はあったりします。
しかも暑くて寒い家は快適に生活できない事もそうですが、物理的な冷暖房を回す為の光熱費も多くかかってしまいます。
住宅ローンを支払いながら高い光熱費を支払いながら、ずっと暮らしていかないといけなくなります。
家の暑い寒いは大きく分けると窓の種類や配置、家をグルっと囲う断熱材の種類、全体の気密性能の高さの3つでほぼ決まります。
その中で今回は家をグルっと囲う断熱材について、どんな種類がありそれぞれどんな特徴があるのか分かりやすく解説したいと思います。
今回のブログを読んでもらう事で、暮らし始めてから「せっかく高いお金を出してマイホームを建てたのに暑い!寒い!」という失敗を防ぐことができます。
大工時代を含めて約15年、たくさんのお客様の家づくりをお手伝いさせて頂いたり、全国の住宅会社の家を視察してきた知識と経験から断熱材の種類と特徴を出来るだけ分かりやすくお伝えしますので、ぜひ最後まで読んでください。
6つの断熱材の種類
まず断熱材は大きく分けて繊維系と言われる綿のような断熱材と、発泡系と言ういわゆる発泡スチロールと同じ発想の断熱材の2つの種類があります。
それぞれの特徴は断熱材ごとの解説の中でお伝えしますが、今回は分かりやすくする為に繊維系と発泡系からそれぞれ代表的なものを、3つずつ解説したいと思います。
まず繊維系断熱材は
1.グラスウール
2.ロックウール
3.セルロースファイバー
の3つを解説します。
そして発泡系断熱材は
1.ポリスチレンフォーム
2.ウレタンフォーム
3.フェノールフォーム
の3つを解説します。
結論から言うと、この6種類の断熱材の中で1番バランスが良いと考えているのは発泡系のウレタンフォームで、実際に私の会社でもこのウレタンフォームの断熱材を標準採用しています。
理由としては、断熱性能、施工品質、コストパフォーマンスの3つが高いレベルで揃っているからです。
もちろんこれはあくまで私の会社の考え方でそれ以外の断熱材がダメだと言いたい訳ではなく、皆さんにはまず代表的な断熱材を知ってもらい、その上でそれぞれの断熱材を使う住宅会社の考えを聞いてから判断してもらえば良いと思います。
・繊維系
1.グラスウール
断熱材の種類、繊維系の1つ目は、グラスウールです。
グラスウールはガラス繊維でできた断熱材で、綿のような見た目で布団のように袋の中に入った状態で使います。
メリットとしては日本でかなり普及しているので、今日ご紹介する断熱材の中で1番安価に仕入れられるのと、軽くて柔らかいので取り付けが簡単で基本的には大工さんが木工事と一緒に施工してくれるので、施工手間も抑えることができます。
逆にデメリットは湿気を吸収しやすいのでカビが生えてしまったり、壁内結露などであまりにも湿気を吸いすぎると、その重みでグラスウールが壁の中でずり落ちたりすることがあります。
湿気を含むと当然ですが断熱効果も軽減されてしまうため注意が必要で、壁内の結露対策や壁の中の湿気を逃がす方法もどのようにしてあるのか?そもそも湿気を吸収しないように適切な施工がされているのか?が大切になってきます。
日本の気候は季節や地域によって湿気が発生しやすいので、グラスウールを採用する場合にはしっかり住宅会社の人に確認するようにしましょう。
2.ロックウール
断熱材の種類、繊維系の2つ目は、ロックウールです。
ロックウールは、玄武岩などの鉱物から造られた繊維系の断熱材で、グラスウールと同じ綿のようなふわっとした見た目になっています。
わずかにグラスウールより硬めで、繊維の隙間に空気をためて断熱効果を出す仕組みや、軽くて取り付け作業がしやすい点は同じです。
しかしグラスウールと比べると撥水性が高く湿気を吸収しにくくなっているので、断熱効果が落ちてしまったりカビが生えてしまう可能性が低くなっています。
ただどうしても繊維には隙間があるので湿気の吸収はゼロではなく、カビなどが心配な方はやはりこの後紹介する発泡系断熱材がオススメです。
グラスウールとのもう一つの違いは金額で、密度や厚みによって変わりますがロックウールはグラスウールより金額が高めで、最低でも10%~20%は金額がUPしてしまいます。
そのため、できるだけ安く家を作りたいという場合はグラスウールがオススメですが、その分断熱性能も低下してしまう可能性があるので注意してください。
ざっくりまとめると、コストは抑えられるけど湿気に弱いグラスウール、少し高いけど湿気に強いロックウールという感じになります。
3.セルロースファイバー
断熱材の種類、繊維系の3つ目は、セルロースファイバーです。
セルロースファイバーは、古い新聞紙をリサイクルして作られた断熱材で、環境に優しく断熱性能も高いのが特徴です。
他にも吸音効果という音を遮る力が高く、湿気を吸ったり吐いたりする調湿作用があり、自然素材ならではの効果を持つ断熱材です。
注意点としては金額が高いことで、グラスウールの3倍ぐらいはすると思います。
リサイクル自体はエコで良いですが、どうしても断熱材として商品にするまでの工程が多くなり、その分コストが増えてしまいます。
結果的に良い商品でもなかなか普及しない要因の一つは、金額がネックになっています。
また現場で壁の中にホースを入れて、柔らかい状態のセルロースファイバーを吹き込んでいくという工事方法なので、適切に施工されないと隙間ができてしまいせっかく高い断熱性能を持っているのに、100%その良さを発揮できないことがあります。
これはどの断熱材にも言えることですが、セルロースファイバーを使う時は特に、経験と実績が豊富にある会社に頼みましょう。
・発泡系
ここからは発泡系と言われる断熱材を解説します。
皆さんの身近な例だと保冷ボックスに使う発泡スチロールがありますが、基本原理は同じですが元になる素材が断熱材によってそれぞれ違い、断熱性能も変わってきます。
それでは代表的な3つを解説します。
1.ポリスチレンフォーム
断熱材の種類、発泡系の1つ目は、ポリスチレンフォームで、ポリスチレンという素材を発泡させて固まったものをカットして、壁の中に入れて使います。
メリットは湿気に強いため基本的にはカビや結露がおきにくく、発泡系の中では金額が1番安くなっています。
逆にデメリットとしては、今回取り上げている発泡系断熱材の中では性能自体が低い部類になってしまう事と、工場で作ったボード状のものを現場でカットして壁の中や床下にはめ込む事が多いので、カットするのが下手だと隙間ができて断熱性能が落ちる恐れがあります。
あとは性質的に年数が経つと縮んでくる可能性もあり、最初はピタッとはめ込まれていても住んでいるうちに少しずつ隙間が空いてしまう事があります。
なのでポリスチレンフォームは湿気に強くて安いというメリットがある反面、現場の施工品質や経年による伸縮によって断熱効果が落ちる可能性がある断熱材になります。
2.ウレタンフォーム
断熱材の種類、発泡系の2つ目は、ウレタンフォームです。
ウレタンフォームはポリウレタンを発泡させたもので、身近なものだとソファーの中身や食器洗い用のスポンジなどでも使われていて、ポリスチレンよりも断熱性能は高いですがその分金額も少し高めになっています。
経年での断熱材の伸縮が小さいのも特徴の一つですが、実際には暮らしていく中で地震や温度変化で構造体が少しずつ動くので、初めはピタッとハマっていた断熱材もどうしても隙間が空いてしまう可能性があります。
そこで考え出されたのが現場発泡のウレタンフォームです。
これは専用の機材を使って現場で吹き付ける方法で、柔らかい泡のような状態のウレタンを壁や天井の形に、ぴったり隙間なく施工することができます。
しかも壁内の構造材に直接吹き付けるためしっかり貼り付き、仮に年数が経って構造が動いてもウレタンフォーム特有の追従性で、隙間が空く可能性が低くなっています。
こちらも施工技術や管理体制によって品質は大きく左右されるので、しっかりと適切な工事をしてもらえる事が前提になるので注意してください。
3.フェノールフォーム
断熱材の種類、発泡系の3つ目は、フェノールフォームです。
これはフェノール樹脂という材料を発泡させて作る断熱材で、非常に高い断熱性能を持ち旭化成のネオマフォームなどが有名です。
このフェノールフォームの特徴は薄くても高い断熱性能がある事です。
そのため、今までご紹介してきた住宅の内側に断熱材を充填する方法と違い、どちらかと言うと外側に断熱材を貼る外断熱工法に向いています。
湿気に対する強さももちろんあり、経年での伸縮も少ない優秀な断熱材なのでメリットは十分にありますが、ネックはやはり金額で一般的なグラスウールの3倍ぐらいします。
そのため、どうしても外断熱工法で建てたいという場合以外は、トータルのバランスで考えると個人的にあまり採用するメリットは少ないように感じます。
・まとめ
最後まとめに入りますが、快適な家づくりのために知ってほしい断熱材は、次の6種類です。
繊維系だと、
1.グラスウール
2.ロックウール
3.セルロースファイバー
発泡系だと、
1.ポリスチレンフォーム
2.ウレタンフォーム
3.フェノールフォーム
になります。
それぞれの概要はここまでお伝えした通りですが、冒頭でもお話したようにせっかく念願のマイホームを建てたのに、夏は暑くて冬も寒い家になったら、ちょっと嫌ですよね?
しかも暑くて寒い家は、快適に生活できない事もそうですが、物理的な冷暖房を回す為の光熱費も多くかかってしまうので、住宅ローンを支払いながら、高い光熱費を支払いながら、ずっと暮らしていかないといけなくなります。
今回ご紹介した6種類の断熱材の中にも細かく言うと、それぞれのメーカーがそれぞれの商品を出していて厳密に言うと同じ断熱材でも、特徴や施工方法、管理体制や保証が違います。
ただ、どの断熱材を使うにしてもやはりメリット・デメリットがあるので、そのデメリットをどのように解消しているかが大切です。
どんなに良い断熱材を使っていても適切な施工がされていなかったり、施工品質が悪かったりするとまったく意味がありません。
結局はそれぞれの住宅会社がどんな根拠をもって、なぜその断熱材を採用しているのか?ここにお客様が共感できて理想とするマイホームのコンセプトに合っていると感じるならそれでいいと思います。
住宅会社を選ぶ際には、その点をしっかり確認するようにしましょう。
今回のブログがこれからマイホームを考えている人にとって、少しでも参考になれば幸いです。
ご覧いただきありがとうございました。
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