2024.09.01
太陽光発電の地震リスクと対策|住宅倒壊・屋根破損・火災などの原因になるのか、地震保険は必要かなど
「太陽光発電の設置を検討しているけど、地震の時に住宅倒壊・屋根破損・火災などの原因になるリスクがあるのでは」と不安を感じていらっしゃる方が多いのではないでしょうか。
実際には、過去の大地震で太陽光発電のみが原因の住宅倒壊・屋根破損・火災などが発生した被害報告はありません。
ただし地震の揺れ方・地震による液状化などが原因で住宅全体が大きな被害を受けて太陽光発電が故障するリスクはあるため、「具体的なリスク」「太陽光発電が簡単に破損しない対策」を把握したうえで、設置を検討することが大切です。
今回は愛知で次の世代に引き継げる高性能な住まいを建築している工務店『ハピナイス』が、太陽光発電の地震リスク・対策などをわかりやすく解説します。
ランニングコストを抑えながら、災害時にも安心して暮らせるマイホームを完成させるために、ぜひ最後までごらんください!
太陽光発電の地震リスク
太陽光発電の主な地震リスクは、以下のとおりです。
- 地震による住宅被害と連動して太陽光発電が故障する可能性がある
- 故障後の発電による感電の危険性がある
- 破損した太陽光発電に触れて怪我をする危険性がある
- 地震後の雨で、破損した太陽電池モジュール内から有害物質が流出する危険性がある
過去の大地震で太陽光発電が被害を受けた例とあわせて、それぞれわかりやすく解説します。
地震の住宅被害との連動による太陽光発電の故障
地震による地面の隆起・地割れ・液状化などの影響で住宅全体が大きな被害を受ける場合に、太陽光発電にも被害が及んで故障するリスクがあります。
実際に熊本地震・北海道胆振東部地震では、太陽光発電が以下のような状態になり故障しました。
- 通常位置から浮く
- 飛び上がって外れる
- ゆがむ など
故障後の発電による感電
太陽光発電は、「故障によって発電が停止する場合」「故障しても発電し続ける場合」があります。
故障しても発電し続けている太陽光発電に雨・津波・浸水などの影響で水がかかると、近づいただけで感電するリスクがあるので注意が必要です。
また地震後に見た目には問題がない場合でも、漏電が発生している場合には太陽光発電のブレーカーが落ちます。
太陽光発電のブレーカーが落ちたら、専門業者に状況確認を依頼することをおすすめします。
破損した太陽光発電に触れることによる怪我
太陽光発電の太陽電池モジュール(ソーラーパネル)の主成分はガラスで、非常に強度が高いものの、地震の強い力で破損する可能性も想定できます。
破損した太陽電池モジュールが散乱していることに気づかずに触れると、怪我をするリスクがあることも念頭に置いておきましょう。
地震後の雨で、破損した太陽電池モジュール内から有害物質が流出
太陽電池モジュールには、鉛・セレンなどの有害物質が使用されています。
有害物質の使用部位は強固に気密封止されていますが、地震発生後に太陽電池モジュールの破損を発見したら、有害物質流出のリスクを考慮して触れないようにしましょう。
特に地震後に雨が降る場合には、太陽電池モジュール内部の物質が流出しやすくなるため、注意が必要です。
太陽光発電の主な地震リスクを紹介しました。
上記紹介してきたリスクのほかに、「地震による住宅被害・太陽光発電の状況」の掛け合わせで住宅倒壊・屋根破損・火災などの被害が発生する可能性がゼロではないため、次に紹介します。
愛知でマイホームを検討中の方は、ハピナイスにお問い合わせください。
太陽光発電など設備面の正しい情報提供も含めて、ご家族が長く安心・快適に暮らせるマイホームのプランを提案いたします。
太陽光発電は地震発生時に住宅倒壊・屋根破損・火災などの原因になるのか
冒頭でお伝えしたとおり、過去の大地震で太陽光発電のみが原因の住宅倒壊・屋根破損・火災などが発生した被害報告はありません。
ただし今後の地震で新たな被害ケースが生まれることも想定できるため、不安をお持ちの方がいらっしゃるのではないでしょうか。
地震発生時に、太陽光発電が住宅倒壊等の原因になることがあるとすると、以下のような状況を想定できます。
- 住宅倒壊:太陽光発電の重量を受け止める駆体(基礎・柱など)・間取りなどの設計・施工が不十分な場合
- 屋根破損:太陽光発電の設置状態が不十分で、地震によって住宅全体がゆがむ・傾くなどの被害を受ける場合
- 火災:太陽光発電に施工不良・劣化があり、漏電から引火する場合
上記のような地震リスクを考慮して太陽光発電を設置しない選択肢もありますが、実際には「毎月の光熱費削減効果」「災害時の電力自家消費」などのメリットを考えると、太陽光発電を簡単に諦められないですよね。
マイホーム新築時に太陽光発電の地震リスクを回避する対策があるので、次に確認しましょう。
太陽光発電の地震リスクを回避する対策|地震保険は必要か
マイホーム新築時に太陽光発電の地震リスクを回避する対策は、以下のとおりです。
- 地震保険などの保険、メーカー保証を前もって確認
- 耐震性の高い住宅にする
- 地震で故障した太陽光発電の取り扱いを前もって確認
- ハザードマップで危険性の高い災害を把握
- 設置・メンテナンスを依頼できる技術力の高い業者を選ぶ
- 定期点検・メンテナンスを実施
地震保険・メーカー保証を前もって確認
地震保険・メーカー保証は、地震被害に対応するための対策です。
住宅新築時の地震保険加入は任意ですが、 地震被害を受けた後の修繕費用捻出に不安を感じる場合は、加入を検討することをおすすめします。
また、メーカー保証の内容はメーカーごとに違うため、保証内容まで確認して太陽光発電装置を選んでください。
地震で故障した太陽光発電の取り扱いを前もって確認
地震で故障した太陽光発電の取り扱いを前もって確認しておくことも、地震被害に対応するための対策です。
実際には太陽光発電に触れずに専門業者の対応を待つことが最善ですが、やむを得ず触れる必要がある場合には、以下のような対策を実施する必要があります。
- 太陽電池モジュールが屋根から外れている場合は、表面を下にする・表面を遮光性のあるシートで覆って発電を停止させる
- 太陽電池モジュールが故障・破損している場合は、水分に触れないようにブルーシートなどで覆う
- 太陽光発電に触る場合は、絶縁性のある素材(ゴムなど)の手袋・長靴を着用する
- 太陽光発電に触れる工具は、絶縁性の素材に覆われたものを使用する
- 破損した太陽電池モジュールで怪我をしないように、防止・メガネなどを着用する
- 故障・破損した太陽光発電の周囲をロープなどで囲い、貼り紙などで周囲に危険性を知らせる
設置・メンテナンス・保証を長期にわたって任せられる技術力の高い業者を選ぶ
太陽光発電の使用期間は30年ほどを想定できるため、「設置・メンテナンス・保証を一貫して依頼するために、太陽光発電事業を長く続ける見込みのある業者を選ぶ」という視点も大切です。
また太陽光発電を設置する際には工業規格で定められた強度を守る必要があるほか、屋根素材・住宅の状況に応じて適切な工法を選択し、雨漏りなどの不具合が発生しないように施工する必要があります。
そのため複数の施工業者を比較して、技術力の高い施工業者を選んでください。
耐震性の高い住宅にする
耐震性の高い住宅を建築することで、太陽光発電が地震の影響を受けづらくなります。
耐震性をあらわす指標として「耐震等級1〜3」があり、耐震等級3が最高等級です。
耐震等級3の耐震性は、耐震等級1と比較して「数十年に一度程度の大地震に対応する力が1.5倍」ですので、太陽光発電設置・耐震性をあわせて検討することをおすすめします。
愛知で地震に強いマイホームをご希望の方は、ハピナイスにお問い合わせください。
ハピナイスは、耐震等級3を標準仕様で提供している工務店です。
ハザードマップで危険性の高い災害を把握
ハザードマップとは、各市町村が作成している「被災が発生すると想定できる地域・避難場所や経路」などを記載した地図です。
ハザードマップを確認しながら土地選びをすることで、「地震を起因とした津波・土砂災害・浸水などの危険性が高い土地を避ける」「新築時に被災の危険性を回避する対策を実施」どちらも可能ですね。
定期点検・メンテナンスを実施
太陽光発電の定期点検・メンテナンスを実施することで、劣化によって地震被害が大きくなるリスクを回避できます。
また劣化・不具合を放置した状態での太陽光発電使用は、漏電などの事故につながる可能性も高まるため、正常運転の状態を保つためのメンテナンスを重視していただけると幸いです。
太陽光発電の地震以外の災害リスクと対策|雷・台風など
太陽光発電の地震リスク・対策を紹介してきましたが、ここで「地震以外の災害に対して、何か危険性はあるのか」と不安を感じている方もいらっしゃると思います。
太陽光発電は、主に以下のような災害リスク・対策も念頭に置いて設置をする必要があります。
災害リスク |
対策 |
雷による故障・火災 |
避雷針(パネル部分)、サージ防止機器(パワーコンディショナー部分)の設置 |
台風の強風・浸水による故障・漏電 |
・浸水危険区域を避ける
・土地をかさあげする
・定期点検で設置状況が正常かどうかを確認・メンテナンス |
洪水による故障・漏電 |
・危険区域を避ける
・土地をかさあげする
・浸水しない位置に太陽光発電を設置
・自然災害補償のある太陽光発電を選ぶ |
土砂崩れによる故障 |
・危険区域を避ける
・斜面の擁壁工事 |
上記のほかに、周辺に災害被害を受けやすい状況の建物がないかを確認することも大切です。
災害対策は住宅全体の安全性に関わることなので、マイホームを新築するエリアの気候を熟知していて万全の災害対策を含めたプランを提案できる施工業者を選ぶことをおすすめします。
こちらの記事で、災害に強い家のつくりかたを確認できます。
〈おすすめコラム〉〈災害大国・日本〉“災害に強い家”15の条件を徹底解説
愛知でマイホームを検討中の方は、ハピナイスへお問い合わせください。
ハピナイスは、風の強い東三河地域でも安心な「耐風等級2」、「耐震等級3」などを標準仕様で提供している工務店です。
太陽光発電設置の検討に役立つメリット・デメリット
太陽光発電の災害リスクと対策を紹介してきましたが、太陽光発電の設置を検討する際にはリスクとメリットのバランス考慮する必要がありますよね。
太陽光発電の主なメリットは、以下のとおりです。
- 電気代を削減できる
- 災害時に電気を使える
- 補助金・税金の優遇制度を活用できる
- ご自宅で使う電力を自給自足し、環境に配慮した生活を送れる
こちらの記事で、オール電化の電気代を確認できます。
〈おすすめコラム〉「オール電化の電気代は高い」8つの原因と対策|光熱費目安やチェックリストを紹介
太陽光発電には、災害リスク以外のデメリットもあります。
- 初期費用が高額
- 発電効率が良い位置に設置スペースを確保するために、屋根形状・間取りに制限が生まれるケースがある
- 発電量と電気代削減効果の正しいシミュレーション・設置の高い技術力・メンテナンス・保証などのバランスが取れた業者選びが難しい
太陽光発電のメリット・デメリットを、こちらの記事で詳しく確認できます。
〈おすすめコラム〉太陽光発電は時代遅れなのか|やらなきゃよかったと後悔しないために最新のメリット・デメリットを解説
日本は「家庭で使用するエネルギーを家庭で生み出せる住宅」を増やすための政策に取り組んでいるため、今後も太陽光発電の普及率は上昇していく見込みです。
立地によっては太陽光発電設置が不向きのケースもあるため、ぜひご家族のために正しい情報提供をできる業者を選んで太陽光発電設置を検討してください。
こちらの動画でも、太陽光発電のメリット・デメリットを解説しています。
まとめ
太陽光発電の地震リスク・対策を解説してきました。
太陽光発電は地震の影響による故障等のリスクがある反面、「電気代を抑えられる」「停電時にも電力を使える」などの大きなメリットもあります。
また太陽光発電に向く環境・不向きな環境があるため、ぜひ複数の業者を検討したうえで、提案力・施工の技術力ともに信頼できる業者を選んで設置を相談してください。
今回紹介した情報を、ご家族にとって太陽光発電が本当に必要なのかを判断する際に役立てていただけると幸いです。
ハピナイスは、太陽光発電についてご相談いただける工務店です。
愛知でマイホームを検討中の方は、お気軽にお問い合わせください。
この記事の監修者
林 拓未
HAPINICE 代表取締役
ものごころ付いた時から、わたしの周りには大工道具と木がありました。
祖父の宮大工としての技術を受け継ぎ、父が築いた住宅づくりの伝統を、わたしも3代目として守り続けています。
家づくりは多くの方にとって人生の一大イベントであり、安心して暮らせる「家」という土台を共に築くことが、家族の幸せと豊かさにつながると信じています。
【スタジオ】
御用のある方はスタジオへお越しください。
〒440-0858
愛知県豊橋市つつじが丘三丁目36番5
フリーダイヤル:0120-871-712
電話:0532-63-8896
FAX:0532-63-8897
【木材加工場】
〒441-1343
愛知県新城市野田字西浄悦68番地
登録資格
- 建設業許可番号:愛知県知事許可 (般-2) 第59940号
- 一級建築士事務所番号:知事登録 (い-5)第14234号
- 宅地建物取引業者番号:愛知県知事(2)第23925号
もっと見る