2024.12.02
【ガレージと玄関が一体の家】メリット・デメリットと事例で見る間取りポイント
マイホームの新築を検討中の方で「どんなガレージが使いやすいか分からない」「住み始めてから後悔しないガレージハウスを建てたい」という方も多いはずです。
そこで今回は、多くのご家族の家づくりをサポートしてきた愛知県の工務店『ハピナイス』が、以下の項目をわかりやすく解説します。
コラムのポイント
■ ガレージハウスの成功事例から、間取りのヒントを確認しましょう。
■ ガレージと玄関が一体化した家には、機能面においてメリットがあります。
■ ガレージと玄関が一体化した家には、デメリットや注意点もあるので、後悔しないための解決方法とあわせて知っておきましょう。
■ ガレージハウスの新築を検討している方からよくいただく質問を紹介します。
ガレージと玄関が一体の家“ガレージハウス”の定義
ガレージハウスとは、ガレージ(駐車スペース)と住宅が一つの建物として一体化しているスタイルの住宅です。
インナーバルコニーやビルトインガレージとも呼ばれますが、どちらも建物にガレージが付随している点は同じで、明確な違いはありません。
ポイント
戸建住宅のガレージは、建物と一体化しているプランと離れた場所に独立して設けるプランがありますが、利便性の観点から建物と繋げてさらに玄関ポーチへ直接アクセスできる間取りが人気です。
愛知県で家づくりを検討中の方は、土地探しや資金計画の段階からご家族をサポートしているハピナイスにお問い合わせください。
【事例の間取り】ガレージと玄関が一体の家
ハピナイスでは数多くのガレージハウス施工事例があります。
その中からガレージと玄関ポーチが一体になっている事例を抜粋し、間取りのポイントと合わせて紹介しますので、ぜひ間取りの参考にしてください。
2階が迫り出しているガレージハウス
こちらは、1階ガレージの上に2階が迫り出している事例で、ガレージと玄関ポーチが一体になっています。
2階が上にあるガレージは1階の室内が暗くなりがちですが、洗面・トイレをガレージ横に配置したことで、圧迫感や閉塞感が気になりません。
シャッターのないガレージはどうしても雑多な印象になりがちですが、袖壁で隠された収納によって、車のメンテナンスやDIYの道具、お子様の遊具などを整理できます。
正面から見るとガレージ収納は隠れるので、すっきりとした外観です。
ガレージとアプローチ両方から玄関にアクセスできる家
こちらは、玄関ポーチへインナーガレージから直接アクセスできる動線に加えて、自転車を停められる広々としたアプローチもつくった事例です。
ご家族と来客の動線を分けることで、ガレージ内に物を置いたままにしても気になりません。
間口が狭く奥に長い土地形状を活かして、中庭のあるプライベートな明るい2階リビングを設けるなど、細かい工夫を凝らしました。
ガレージから玄関と勝手口にアクセスできる家
こちらは、ガレージと玄関ポーチが一体化しているだけではなく、その先には脱衣所や洗面へアクセスできる勝手口を設けた事例です。
勝手口から入ると、買い物帰りにキッチンへ荷物を運ぶ動線もスムーズです。
広々とした土間やスキップフロア、ファミリークローゼット、セカンドリビングなど、トレンドの間取りアイデアをふんだんに取り入れました。
リビングから愛車を眺められるガレージハウス
こちらは、バイクや車を好きな方におすすめの間取りアイデアが盛りだくさんな事例です。
角地の魅力を生かし、玄関とガレージの入り口を分けて扉から行き来できるようにしました。
ガレージの中にはメンテナンス道具やヘルメットを置ける棚をつくり、リビングから愛車を眺められるように大きな窓を設置した点もポイントです。
ガレージの上は中二階にして、のんびりリラックスしたり来客を迎えたりできる場所として使えるモダンな和室にしました。
ポイント
ハピナイスでは、施工・アフター管理を愛知県東三河地域に限定して「建築家とのオンリーワンの家づくり」をコンセプトに高気密・高断熱・高耐震な住宅をリーズナブルな価格で提供しております。
デザインや間取りのレパートリーも豊富なので、ぜひ
施工事例ページをご覧ください。
ガレージと玄関を一体にするメリット
ガレージハウスの中でも、玄関ポーチを兼ねた間取りが人気です。
主なメリットは6つあります。
- 雨に濡れず車から玄関まで移動できる
- 荷物を運ぶ動線を短くできる
- コンパクトな敷地でもガレージハウスを建てやすい
- 玄関ドアを開けた時に家の中をのぞかれにくい
- プランによってはガレージに収納を作れる
- 愛車をキズや汚れ、イタズラから守れる
このように、ガレージハウス、特に玄関と一体化しているプランには、主に利便性の面でメリットがあります。
ただし、間取りを考える前に知っておいていただきたいデメリットもあるので注意しましょう。
愛知県で家づくりを検討中の方は、資金計画の段階からご家族をサポートしているハピナイスにお問い合わせください。
ガレージと玄関を一体にするデメリット・注意点と解決方法
人気の高いガレージハウスですが、事前に知っておいていただきたいデメリットや注意点もあります。
マイホームを後悔しないためにも、解決方法と合わせて押さえておきましょう。
建築コストが高くなる
ガレージ部分は車の出入り幅を確保するために通常のプランに加えて耐震補強が必要な可能性があります。
そのため、建築コストが高くなるケースも少なくありません。
特にガレージの上に部屋を作る場合は、事前に建築会社と綿密な予算計画を相談しましょう。
ポイント
ガレージハウスを平屋建てしてガレージの上に部屋を作らない間取りは、比較的コストを押さえられます。
ハピナイスでは、建材仕入れや工事費にかかる中間マージンや、住まいづくりと直接関係のない広告費を徹底的に削減し、おしゃれで高品質な住宅をリーズナブルな価格で提供しています。
駐車できる車種が制限される
ビルトインガレージやインナーガレージは駐車スペースの周りが壁に囲まれているため、どうしても駐車できる車種が限定されます。
そのため、事前に車のサイズやそれを停めるのに必要なスペースの目安を把握しておきましょう。
車の種類 | 車のサイズ |
---|
軽自動車 | 全長:3,400mm程度 全幅:1,480mm程度 全高:1,500〜1,850mm程度 |
コンパクトカー | 全長:3,700〜4,100mm程度 全幅:1,700mm程度 全高:1,500〜1,750mm程度 |
セダン | 全長:4,500〜5,200mm程度 全幅:1,750〜1,920mm程度 全高:1,450〜1,500mm程度 |
SUV | 全長:3,400〜4,850mm程度 全幅:1,800〜1,900mm程度 全高:1,600〜1,850mm程度 |
ミニバン | 全長:4,260〜4,950mm程度 全幅:1,700〜1,850mm程度 全高:1,700〜1,950mm程度 |
※車種によってサイズは異なりますので、詳しい寸法はメーカーへお問い合わせください。
ポイント
ガレージは、車のサイズに加えて「左右600mmずつ・後部1,600mm」確保すると無理なく駐車できます。
車椅子を利用する方がいらっしゃる場合やベビーカー・大きな荷物を頻繁に出し入れする場合は、さらに広めのスペースが必要です。
将来、家族構成やライフスタイルの変化によって車の買い換えが想定される場合は、特にガレージのスペース配分に注意しましょう。
玄関までが通りにくい
車から降りて玄関まで車の前後を回り込む場合、玄関までが通りづらくなる可能性があります。
動線によっては一度ガレージを出なくてはならず、車の後ろや左右が狭いと大きな荷物を運べなくなるので注意しましょう。
ポイント
ガレージハウスのプランを検討する際は、スペースの広さだけではなく玄関との位置関係も重要なチェックポイントです。
玄関ドアを開き扉にするとポーチを広くする必要があるため、コンパクトにおさめたい場合は玄関引き戸もご検討ください。
自転車置き場に困る
ガレージと玄関ポーチを一体にすると困るのが自転車置き場です。
敷地の間口いっぱいに家を建てると、自転車を置く場所がなくなりガレージに駐輪せざるを得なくなるので注意しましょう。
ポイント
自転車を日常的に使う場合は、車の動線・人の動線・自転車の動線をプランニングの段階で慎重にシミュレーションしましょう。
車を移動させずに自転車を出し入れできるプランにすることが重要です。
車のメンテナンスをしづらい
車を掃除したりメンテナンスしたりする時にガレージから車を出さなくてはいけないと不便ですよね。
こまめにご自宅で車を手入れしたい方は、必要なスペースと設備を整える必要があります。
ポイント
車を水洗いしたい方は立水栓を、社内を掃除機がけしたい方や電気工具を使いたい方はコンセントをガレージ内に設置しましょう。
そのほか、工具をしまう収納スペースがあると便利です。
排気ガスが室内に入る
車と玄関の距離が近いガレージハウスは、玄関ドアを開けた時に排気ガスが室内に入る可能性があります。
特に日常的に暖機運転する方は注意しましょう。
ポイント
ガレージに十分な換気設備を整えましょう。
ガレージの左右と後方が壁に囲われている場合は、人感センサーで換気扇が稼働する遅延スイッチ式がおすすめです。
ガレージ内に家の窓がある場合は、高気密タイプを選ぶ点も重要です。
電気自動車を充電できない
「電気自動車に買い換えたが、ガレージで充電できない」と後悔している方もいらっしゃるようです。
仮にガレージに200Vに対応したコンセントがあっても、そのままでは電気自動車を充電できないので注意しましょう。
EV用コンセントは大量の電気が流れるため、ブレーカーまで専用回線で分ける必要があります。
ポイント
電気自動車への買い替えも視野に入れている方は、事前に専用コンセントを設置しておきましょう。
災害時に備えて太陽光パネルとセットでV2Hを設置するのもおすすめです。
車の後ろが死角になりやすい
ガレージは車が中に駐車されているとその周りが死角になりやすいリスクがあります。
玄関とガレージが一体になっている場合は、ドアをピッキングしている様子が車の影になり道路や周囲から見えなくなる可能性があるので対策が必要です。
ポイント
前面道路から玄関ドアやガレージに面した窓が見えるかプランニングの段階で確認しましょう。
玄関ドアや窓をピッキングやガラス破りに強い仕様にしておく点も防犯対策として欠かせません。
家の防犯対策については「空き巣・強盗が嫌がる家の共通点|一軒家で実践するべき13の最強のセキュリティ対策を紹介」で詳しく解説していますので、ぜひあわせてご覧ください。
ガレージハウスに関するよくある質問
最後に、ガレージハウスの新築を検討している方からよくいただく質問を紹介します。
Q.「ビルトインガレージは固定資産税が高くなるって本当?」
ビルトインガレージは家の屋外であっても建築基準法における延べ床面積に含まれ、固定資産税が高くなるかもしれません。
固定資産税額を決める家屋評価は再建築費用が根拠となり、延床面積が広くなると評価額が高くなるためです。(参考:総務省|固定資産評価のしくみについて(家屋評価))
対して、周囲を壁で囲われておらずカーポートなどの屋根だけがある駐車スペースは、延べ床面積に含まれず固定資産税に影響しない可能性があります。
固定資産税の課税対象となる「建物」とみなされるポイントは、以下の3点に当てはまるかどうかです。
- 土地定着性(基礎があり、土地に定着している)
- 外気分断性(屋根と3方向以上の壁で外気から分断されている)
- 用途性(居住や作業スペースとしての用途を持つ)
ただし、自治体によって判断が異なるため、税額が気になる方は事前に役所や管轄の税務署などへ問い合わせましょう。
Q.「ガレージの上に2階があると耐震面で問題はない?」
正しい構造計画を検討すれば、ガレージの上に建物荷重がかかっても問題ありません。
しかし、間口の広いガレージを1階につくりその上に部屋を配置すると耐震性が気になりますよね。
重要なのは、耐震設計の実績が豊富な建築会社へ相談することです。
ハピナイスは警察署や消防署など防災拠点となる建物と同じ耐震性である「耐震等級3」が標準仕様です。
Q.「ガレージの最低広さは何坪?」
スムーズに駐車できるガレージ寸法の目安は「幅3.0m奥行6.0m(5.5坪)」程度です。
4〜5坪程度でもガレージとして成立しますが、駐車できる車種が制限されたり乗り降りしづらくなったりする可能性があるので注意しましょう。
ちなみに、2台駐車したい場合は8〜10坪程度の広さが必要です。
Q.「ガレージハウスを建てるにはどのくらいの土地が必要?」
車を1台止められるガレージハウスを建てたい場合は、ガレージ5.5坪以上に加えて国土交通省の公表している誘導居住面積水準を参考に家の延べ床面積を決めましょう。
誘導居住面積水準とは、世帯人数ごとに「多様なライフスタイルを想定して豊かな住生活を実現できる」面積の目安です。(参考:国土交通省|参考資料・誘導居住面積水準)
世帯人数 | 居住面積目安 |
---|
2人 | 75㎡(約22.7坪) |
3人 | 100㎡(約30.3坪) |
4人 | 125㎡(約37.9坪) |
※上記面積は、郊外(都市部以外)に家を建てる場合
延べ床面積の目安が決まったら、住みたいエリアの建蔽率(※)から必要な敷地面積を算出できます。
※建蔽率(けんぺいりつ):敷地に対して建物を建てられる面積割合で、都市計画に基づき地域ごとに上限が決められています。
【計算例】
・3人家族のガレージハウスに必要な延べ床面積=5.5坪+30.3坪
・住宅地の建蔽率50%
▶︎35.8坪÷50%=71.6坪(必要となる最低敷地面積)
Q.「ガレージにシャッターは必要?」
ガレージにシャッターをつけるかどうかは家を建てる地域やご予算、ライフスタイルによって異なります。
シャッターの有無 | メリット デメリット |
---|
シャッターあり | ・防犯性が高まる ・塩害や風害から車を守れる ・ガレージで作業しても人の目が気にならない ・頻繁に車を出し入れするとシャッターの開閉が面倒 ・ガレージと玄関を一体化させるためには、ガレージ以外に玄関アプローチが必要 ・開閉音で騒音トラブルになる可能性がある ・排気ガスがガレージ内部にこもりやすい ・初期費用とメンテナンス費用がかかる |
シャッターなし | ・車の出し入れがスムーズ ・ガレージとは別に玄関アプローチを作る必要がない ・初期費用とメンテナンス費用を抑えられる ・塩害や風害から車を守れない ・不審者がガレージに入る可能性がある |
このように、ガレージシャッターはあり・なしそれぞれにメリットとデメリットがあるため、ガレージの使い方やご予算に合わせてプランを検討しましょう。
ガレージシャッターを後付けする可能性がある場合は、シャッター用の電源を新築時に設置しておくのがおすすめです。
ポイント
ハピナイスでは、家と一体のガレージに加えて、趣味スペースや仕事場としても使える独立型ガレージや、丈夫なカーポートも提案しております。
様々な駐車スペースを見たい方は
特設サイトをご覧ください。
まとめ
ガレージと玄関が一体となっている家は、近年人気でお客様より多くのご相談をいただきます。
ただし、ガレージハウスにはメリットとデメリット・注意点の両方があるため、ポイントを押さえて後悔のない間取りを実現させましょう。
今回紹介した情報を参考に、ご家族の快適性・安全性・楽しい暮らしを軸にして、理想の家を完成させていただけると幸いです。
この記事の監修者
林 拓未
HAPINICE 代表取締役
ものごころ付いた時から、わたしの周りには大工道具と木がありました。
祖父の宮大工としての技術を受け継ぎ、父が築いた住宅づくりの伝統を、わたしも3代目として守り続けています。
家づくりは多くの方にとって人生の一大イベントであり、安心して暮らせる「家」という土台を共に築くことが、家族の幸せと豊かさにつながると信じています。
【スタジオ】
御用のある方はスタジオへお越しください。
〒440-0858
愛知県豊橋市つつじが丘三丁目36番5
フリーダイヤル:0120-871-712
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【木材加工場】
〒441-1343
愛知県新城市野田字西浄悦68番地
登録資格
- 建設業許可番号:愛知県知事許可 (般-2) 第59940号
- 一級建築士事務所番号:知事登録 (い-5)第14234号
- 宅地建物取引業者番号:愛知県知事(2)第23925号
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