2021.08.31
【どっちがいい?】エアコンと全館空調を徹底比較!8番勝負でジャッジ!
皆さんもマイホームを検討する際、冷暖房の方法で一般的なエアコンと全館空調システム、どっちがいいのか迷った事はありませんか?
全館空調と言っても、今どきは色んな種類があるので一括にするのは難しいですが、専用の空調機械を1つか2つ設置して、各部屋にあるダクトを通じて家全体の冷暖房を管理するイメージになります。
各部屋はもちろん、脱衣室や廊下も含めて全館が快適な温度になるし、大手ハウスメーカーの多くが率先して採用し広告やCMもしているので、気になる方も結構いらっしゃると思います。
そこで今回のブログでは、エアコンと全館空調の違いを8つのポイントで比較して、どちらが自分達に合っているのか判断できるようになって頂こうと思います。
ちなみに今回ご紹介する以外でも、実際に採用してここが良かった、これは失敗した、みたいな生の声を頂けると有り難いので、良かったらYouTubeの方にコメントください。
大工時代を含めて15年以上、沢山のお客様の家づくりをお手伝いさせて頂いた経験を踏まえて、これから家を建てる人が失敗しない為の情報をできるだけ分かりやすくお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。
8つの比較ポイント
今回、エアコンと全館空調を比較するポイントは次の8つです。
①イニシャルコスト
②ランニングコスト
③普段のお手入れ
④修理費
⑤維持コスト
⑥快適性
⑦温度管理
⑧プランニング
それでは1つずつ解説します。
①イニシャルコスト
エアコンと全館空調の比較1つ目は、イニシャルコストです。
イニシャルコストというのは最初にかかる建築の初期費用の事で、一般的な35坪ぐらいの家で比較していきます。
まず全館空調はメーカーや種類によって多少変わりますが、空調本体とダクト工事を含めて平均150万円~200万円前後ぐらいが多いと思います。
対するエアコンはLDKが18畳用だとして30万円、ご夫婦の寝室と子供部屋2つと仮定して、それぞれに6畳用を付けると1台10万円×3で30万円、合わせると合計で60万円になります。
なのでイニシャルコストで比較すると、一般的なエアコンに比べて全館空調は3倍ぐらいの費用がかかってしまう事が分かります。
②ランニングコスト
エアコンと全館空調の比較2つ目は、電気代などのランニングコストです。
皆さんこれが一番気になると思いますが、実際に全館空調を付けた方のブログをいくつか見ると、夏場が大体15,000円前後で冬場は大体25,000円前後ぐらいのイメージで、対するエアコンは夏冬それぞれ5,000円ぐらいずつ安いイメージになります。
これは正直、家の性能や地域、家族構成や暮らし方でも大きく変わってくるので完全な比較は難しいのですが、全館空調のランニングコストが高くなってしまう理由は名前の通り全館を空調するので、人がいない部屋や使っていない部屋でも空調をOFFにできない点にあると思います。
確かに連続運転をしてなるべく冷暖房を切らない方が、電気代がかからないという面はありますが、それはこまめにON-OFFするのと比べた場合の話で、長時間人がいない部屋の分のエネルギーロスは避けられないと思います。
あと全館空調を使うメーカーのサイトやパンフレットをいくつか見ると、「全館空調じゃない家に比べて省エネ」っていうキャッチフレーズを見る事もありますが、よく確認すると比較対象の家が20年ぐらい前の省エネ基準だったりするので正直あまり参考になりません。
本当に全館空調で省エネになっているのか、家の断熱気密性能が高くて省エネになっているのかしっかり注意して比較するようにしましょう。
③普段のお手入れ
エアコンと全館空調の比較3つ目は、普段のお手入れです。
全館空調は24時間換気を兼ねている機種もあって、外の空気を機械本体に一旦取り入れてから各部屋に送り込むので、空気をきれいにしたり虫や花粉が入らないようにするフィルターが付いていて、環境によってはかなりフィルターが汚れるのと小さな虫も詰まっていたりします。
実際にはメーカーや種類によって推奨期間は違いますが、フィルターを2ヵ月に1回ぐらいは掃除する必要があり大変と言えば大変ですが、24時間換気の掃除という意味ではエアコンでも一緒の事ですし、エアコンの場合は各部屋の台数分の掃除が必要なので、お手入れ面に関しては全館空調の方に軍配が上がる気がします。
④修理費
エアコンと全館空調の比較4つ目は、修理費です。
全館空調は専用の熱源機が故障すると部品交換で2〜3万円ぐらい、重要な部分だと10万円以上かかる事もあります。
また設置して15年ぐらいで寿命がきて本体交換になると、エアコンのように家電量販店で買えるような製品ではないので、本体代と工事費両方で150万円前後ぐらい必要になってしまいます。
これは全館空調の種類によって費用が大きく変わるので、検討している住宅会社の人に具体的な交換費用や交換サイクルを確認するようにしましょう。
ちなみにエアコンも一般的な修理費は2〜3万円ぐらいが多いと思いますが、重要な部分の故障だと10万円近くかかる事もあるので、買い換えたほうが良くなる時もあります。
さらにエアコンの場合は台数があるので、1台の修理費は少なくても複数台が重なれば結構な出費になる事もあり、寿命も10年前後で全館空調と比べると5年ぐらい短いので注意が必要です。
要するに修理費はほぼ変わらないと思うので、60年というスパンで買い換えコストだけで比較すると
エアコンの場合は、10年に1回60万円なので、360万円
全館空調の場合は、15年に1回150万円とすると、600万円
になり単純計算でいくとエアコンの方が有利になる可能性が高くなります。
⑤維持コスト
エアコンと全館空調の比較5つ目は維持コストで、これは修理とは別にフィルターなどの消耗品の費用比較になります。
全館空調はフィルターが何箇所かある製品が多く、主に空調機械本体にあるフィルターが1年に1回の交換で3万円ぐらい、換気口やダクト部分にあるフィルターが半年に1回の交換で1万円ぐらい、年間合計5万円ぐらいは必要になると思います。
更にそれとは別で全館空調のメーカーメンテナンスというのも1年に1回必要という所が多く、最初の何年間かは無料の所もありますがそれが終われば1回で3万円ぐらいかかります。
対するエアコンのフィルターは、2年に1回交換するというメーカーが多く金額はだいたい5,000円前後で、もし一家に4台あるとすると合計2万円ぐらい必要です。
ただ定期のメーカーメンテナンスは無いので、その分の費用負担は軽減されるイメージです。
なので若干の差ですがエアコンに比べて全館空調の方が、消耗品の交換やメンテナンス費用が必要になってしまう可能性は高いと言えます。
⑥快適性
エアコンと全館空調の比較6つ目は、快適性です。
ここまでコスト面だけで言うと不利になりやすい全館空調ですが、快適性という意味では抜群で、家全体にまんべんなく冷暖房の空気を送り込むので、廊下や脱衣室、トイレまで快適な温度に保ってくれるので、家の中の温度差が少なく過ごしやすい住空間を実現できます。
それに比べてエアコンの場合だと各部屋は快適にできたり、間取りを工夫する事で廊下や玄関の温度差は無くせたとしても、使う時には閉めてしまう脱衣室やトイレなどは多少なりとも温度差が出てしまいます。
ただどちらにしても家の断熱気密性能の担保は必要不可欠で、どんなに全館空調で家全体の温度を一定にしても、断熱性が悪かったり家の隙間から熱が逃げてしまうと、エネルギーロスが多くなってしまうので注意が必要です。
別のブログで高気密高断熱にする為のポイントについて詳しく解説しているので、興味のある方は下のリンクからぜひチェックしてください。
⑦温度管理
エアコンと全館空調の比較7つ目は、温度管理です。
基本的に全館空調は専用の空調機械を1つか2つ設置して家全体の冷暖房をするので、部屋毎にON-OFFしたり温度調整をするのが難しくなっています。
ただ最近はメーカーによっては部屋毎の温度調整ができるタイプも増えてきているので、オプションで追加金額がかかる事もありますが、使う人に合わせて柔軟に温度調整したい方にはお薦めです。
実際に全館空調完備の家で生活した人の感想を見ても、老若男女それぞれ適正温度が違う中で、部屋毎の温度調整ができない事に不便を感じている人は結構多いです。
なので全館空調を検討する際は、個別に温度を調整できる機種を採用する方が良いと思います。
一方エアコンに関しては当たり前ですが、部屋毎にON-OFFできて温度調整も容易なので、今まで通り生活スタイルを変える事なく、採用できるのがメリットになります。
⑧プランニング
エアコンと全館空調の比較8つ目はプランニングで、これはそれぞれ設置する際に間取りプランに影響するかどうかという事です。
全館空調の場合は空調機械を1階2階の床下か屋根裏に設置するタイプが多く、その場所の確保は必要ですがあまりプランに影響する事は少なくなります。
外に置く室外機も1つか2つで済み内装外装ともにシンプルになるので、意匠デザインという意味でも有利になります。
エアコンの場合はやはりリビングと各居室の壁にそれぞれ設置しないといけないし、室外機もそれぞれが基本なのでエアコン本体の設置場所と合わせて、室外機の設置場所も慎重に考えないと、後から変に目立ちデザインの邪魔をしてしまう可能性があるので、間取りプランをつくる際には注意が必要です。
ちなみに間取りプランで失敗しない為のポイントについては、別の動画で詳しく解説しているので下のリンクからぜひご覧ください。
まとめ
最後まとめに入りますが、エアコンと全館空調の比較ポイントは次の8つです。
①イニシャルコスト
②ランニングコスト
③普段のお手入れ
④修理費
⑤維持コスト
⑥快適性
⑦温度管理
⑧プランニング
それぞれの概要はここまでお話した通りですが、エアコンも全館空調もそれぞれ一長一短ある事が何となくでも分かって頂けたと思います。
ただエアコンの選択肢は大きく分けて1つしか無いですが、全館空調に関しては本当に色んな種類が存在していて、何を採用するかで費用や注意ポイントも変わってくるので、採用する際には慎重に吟味する必要があります。
私個人的にはあらゆる側面から考えて個別エアコン派ですが、どちらを選択するにしてもメリット・デメリットがあるのも確かなので、目先の事だけではなくて最低でも40年50年は暮らす事を考えて、自分たちに合う空調設備を選んでもらいたいと思います。
今回のブログが全てではないですが、これからマイホームを考えている人にとって、少しでも参考になれば幸いです。
ご覧いただきありがとうございました。
今後も随時更新予定です!
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