2020.07.09
【誤解多発】創業50年の工務店社長が「平家が人気の理由」を解説!
これからマイホームを考えている人であれば、平屋にするか2階建てにするか3階建てにするか、それぞれにメリットデメリットがあるので迷いますよね?
そこで、今回は平屋で建てたいという相談や実際に建てる人も増えているので、平屋が人気の理由を2階建てや3階建てと比較しながら深堀りして解説します。
平屋は暮らしやすくてコスパもいい
結論から言うと平屋が人気の理由は、とても暮らしやすいし実はコストパフォーマンスも良いからです。
平屋は階段がなくワンフロアですべてが完結しているので、家の中の移動が楽でたいへん暮らしやすくなっています。
また、平屋は高いというイメージの方も多いと思いますが、決してそのようなことはありません。
今回はできるだけわかりやすくするために、理由を3つに分けてお伝えしていますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
理由その1「安全性」
平屋が人気の理由の1つ目は「安全性」があるということです。
これは台風や竜巻などの「風」と、「地震」での倒壊リスクに対する安全性になりますので、わけて1つずつ説明していきます。
風の抵抗を受けにくい
まず、風に対して平屋は2階建て3階建てに比べてどれだけ有利かということですが、風はやはり高い位置の方が強く当たるので、単純に階数が多いほど風を受ける影響も大きくなります。たとえば、よろけるほど風が強い日にしゃがんでみると、風から受ける力が小さくなる経験をしたことはありませんか?
平屋と3階建てで比べると高さは2.5倍くらい差があるので、当然平屋の方が風の抵抗を受けにくくなるのです。
日本の建物はしなるようにできているため、高さがあるほど強い風を受けるて上の階が動き、外壁にヒビが入ったり瓦が落ちやすくなったりします。この点を考えるとやはり平屋は風に強く安全であると言えるでしょう。
地震の揺れに強い
つぎに地震の揺れに対する強さですが、今まで起きた阪神、東日本、熊本、北海道といった各地の大地震でも、純粋に地震での倒壊は2階建て以上の建物が多くなっています。
平屋なら上に乗っているのは屋根だけですが、2階建て3階建てになると1階に上階と屋根が乗っていているため、揺れが高さに比例して大きくなり構造躯体への負荷が増していきます。すると、揺れの負荷は地面に固定されている1階に集中し、上階や屋根の揺れに耐えきれなくなるとその1階部分だけが倒壊してしまいます。
実際に、熊本地震の後に現地を視察に行きましたが、1階だけ潰れて2階がスライドしたように残っている建物が多くありました。
以上のように風や地震などを考えても平屋は強く、またいざというときに外へ逃げやすいという良さもあり、総合的に見て平屋は安全性が高いと言って良いでしょう。
理由その2「暮らしやすさ」
続いて平屋が人気の理由の2つ目は「暮らしやすさ」で、これが一番の魅力だというお客様の声も多く耳にします。
本当の意味でフラットなバリアフリー
冒頭でもお伝えしたように平屋はワンフロアで全てが完結するため、本当の意味でフラットなバリアフリー空間が実現します。
たとえば、2階建てや3階建てでLDKが1階にあるとすると、上の部屋にいくためや洗濯物を干すために、わざわざ階段を上がらないといけません。
これは、年をとって足腰が弱くなれば困難になっていくし、たとえ若くてもアパートでワンフロア生活になれていたらかなりの負担です。平屋のように上り下りがなければ家事や日常生活での体への負担が軽減され、老後も楽なだけでなく若い方には時間短縮という恩恵があるでしょう。
防犯面やプライバシーは間取りで回避
逆に平屋のフラットさゆえのデメリットをあげるとすると、家の間取りや立地によっては防犯やプライバシーが心配な点があります。窓はすべて1階なので泥棒などに侵入されやすく、またまわりの家が2階建てであれば上から覗き込まれてしまう恐れがあります。
対策としては敷地外に面する窓をなるべく減らして、代わり中庭を作ってそこに面して窓を取り、光や風を取り込むのも一つの方法です。また、死角などで心配な窓は防犯仕様にするなど、間取り以外でも工夫して回避するようにしましょう。
実際に平屋で建てた感想
私も平屋を新築して家族5人で暮らしていますが、やはりストレスがたいへん少なく快適です。
中庭を作ったり防犯窓にしたりして、まわりの環境に合わせるためかなり間取りを工夫しました。
平屋は確かに暮らしやすいのですが、設計を誤ると住みにくい家になる恐れがあるので、しっかりとした設計力のある会社に依頼をするようにしてください。
理由その3「コストパフォーマンス」
平屋が人気の理由の3つ目は「コストパフォーマンス」ですが、これを十分に理解できている方は少ないと思いますのでしっかり解説します。まず、コストパフォーマンスには「建築費」と「メンテナンス費」の、2つの観点があります。
同じ面積で建てると平屋は割高
まず、建築費ですが一般的に平屋は金額が割高と言われていて、実際に平屋、2階建て、3階建てを同じ面積で金額を計算すると、平屋は高くなってしまうことが多いのです。
たとえば、30坪の平屋だと金額がかかる基礎や屋根も30坪の大きさになりますが、30坪の総2階だと面積を1階と2階で半分に分けるため、基礎も屋根も半分の15坪ずつで済みます。
平屋は基礎も屋根も2階建ての倍あるため金額がたいへんかかってしまい、同じ30坪の面積で建てれば確かに割高だということになるのです。
平屋は面積が少なく済むので高くはない
ただし、実際に平屋にすると階段は不要で廊下やトイレも減らせるので、同じ生活スペースを確保してみると、2階建てに比べて平屋は面積が3坪ほど節約できます。つまり、30坪の2階建てと同じ間取りにしようとするなら、平屋では27坪で同じ大きさのLDKや寝室が取れるようになり、1坪60万円の家なら3坪減るので180万円も金額を抑えられるのです。
また、階段の材料や工事費、2階への配管や配線の工事費、外にかける足場代も減らせるため、さらに20万円ほど金額を抑えられます。
まとめると、同じ面積で建てようとすると確かに平屋は割高ですが、2階建てに比べ面積や工事費を減らせる部分が多いため、実際には2階建てと同じぐらいの費用で同じ部屋数の家を建てることができるのです。
将来のメンテナンス費も安い
次にメンテナンス費ですがこれは住み始めてから20年、30年と経ったときの、劣化した外壁や屋根を塗り替えをする費用です。
どんな材料を使っているかで塗り替えまでの年数は変わりますが、費用はざっくり27坪の平屋で80万円、30坪の2階建てで110万円、33坪の3階建てで140万円が相場です。
これも平屋は足場をかける面積が少なかったり、工事で階段の上り下りがないので職人の手間賃も抑えらたりするため、メンテナンス費も平屋の方が割安な傾向があります。
仮に15年に1回塗り替えをするとしたら、30年後には60万円~120万円という結構大きな金額差になります。
メンテナンス費は平屋のほうが割安になるため先ほどの建築費と合わせて考えると、コストパフォーマンスという観点では平屋のほうが優れていると言って良いでしょう。
平屋に広い土地は必要ない
最後に人気の理由ではないのですが平屋にとって大きな誤解がある土地についてお伝えします。「広い土地さえあれば平屋にしたい」というお客様の声を聞くことがありますが、実は平屋に広い土地は必要なく55坪くらいの土地があれば、車3台を停めて27坪ぐらいの平屋は建築が可能です。
子供2人の4人家族で3LDKにちょっとした収納があればいいという方なら、27坪の平屋は十分な広さでしかも子供部屋が同じ1階にあるため、子どもが巣立っても部屋の有効活用ができます。
平屋は広い土地が必要なので無理だと考えているなら、試しに工務店の方に平屋のプランを書いてもらうことをお勧めします。
構造計算はどの建て方でもやるべき
少し余談ですが、木造3階建て以上の建物は2階建てや平屋に比べ地震に弱いため、構造計算が法律で義務付けられていて、それには手間や材料の費用がかかることになります。
これをコストアップと捉えるお客様もいますが、今の時代は大切な耐震性を担保するために必要なことであり、3階建てに限らず平屋でも2階建てでも構造計算を必ず行ってほしいと思います。
3階建てはコストアップする、構造計算をしないといけないという考え方ではなく、平屋、2階建て、3階建てのどの家にするにしても構造計算をしっかり行い、耐震性は必ず確保するようにしてください。
まとめ
今回お伝えした平屋の「安全性」「暮らしやすさ」「コストパフォーマンス」という3つのポイントをトータルに見て、平屋にするかどうか後悔のないように選んでもらいたいと思います。
これから家づくりを考える方が、平屋、2階建て、3階建てにはどんな違いがあり、自分たちにはどれが合うのか検討するうえで、少しでも参考にしてもらえたら嬉しいです。
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